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2019/12/02

source : 週刊文春デジタル

genre : ニュース, 社会

天皇としての教育を考える

 女性天皇、女系天皇を認めた方が良いと考えるもう一つの理由が、スムーズな皇位の移行が期待できることです。

 いまの皇位継承順位のままでいくと、次の世代で秋篠宮家に天皇の立場が移ることになります。これまでの天皇は、天皇陛下が息子である皇太子を育てる側面があった。皇太子自身もその過程を通して、自分が天皇という立場に付く自覚を持った。

©文藝春秋

 実際、上皇さまは、3人のお子さまの教育に明らかに違いを持たせていました。上皇さまは、天皇(当時の浩宮さま)が高校生から大学生だった頃、大学の先生を呼んで、一緒に過去の天皇のご事績を勉強されています。上皇さまは皇太子時代、昭和天皇の内奏の時に同席するようなケースもありました。いわば「実地訓練」です。ある種、歌舞伎の芸を親から子に教える「相伝」のようなものです。

 そんな天皇としての教育を、いまの天皇が悠仁さまに出来るかというと、自分の子供ではないだけに遠慮があるのではないでしょうか。かといって、秋篠宮さまが悠仁さまに教育をしたところで、そもそも秋篠宮さまが将来の天皇としての本当の教育を受けていない。その点、「愛子天皇」となれば、ある種の“帝王学”を直接親から受け継ぐことができる。

 平成から令和の時代へ、上手く移行しているように見えるのは、「平成流」の皇室を上手く継続させているからでしょう。それはやはり「実地訓練」「相伝」が必要ではないでしょうか。天皇から伝わる空気感を直接知った上でないとできない。男女関係なく、長子優先で相続させることで、将来的にもスムーズな皇位の移行が期待できるはずです。

宮内庁提供

“政略結婚”は国民が受け入れられない

 道徳性を期待されている現代の皇室では、「男系派」の一部が言うような、旧宮家の男子を皇族に復帰させる案は非現実的ではないでしょうか。

 天皇としての教育と同じく、小さいときから皇族としての教育を受け、皇族という立場の中で成長するからこそ育まれるものがあると思うのです。さらに、テレビで成長を見守られ「あの子も大きくなったわね」などと感じてもらいながら成長していくから国民との関係性が築けるし、皇族の子供たちも「見られている」という感覚を持って育つのです。

 例えば私の友達が旧宮家の男子で、急に「実は明日から皇族になる」と言い出したら、「あいつといろんな悪いことしたのになぁ」と思いを巡らせてしまって、皇族として接するのは苦しいところがありますよ(笑)。道徳的な振る舞いとは、やはり小さな時から意識的に育まれ、形成されるものではないでしょうか。