昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2019/12/02

source : 週刊文春デジタル

genre : ニュース, 社会

 また、「男系派」の中には、愛子さまや眞子さま、佳子さまと旧皇族の男子を結婚させれば良いと本気で言っている人もいますが、これも時代に合わないと思います。要は“政略結婚”。少なくとも、天皇2代にわたって恋愛結婚だったのに、次世代になって旧宮家の方と政略結婚することになったら、時代に逆行するようで国民が引いてしまうと思います。そのように愛子さまたちの意思を無視するようなことをしていいのでしょうか。それは、戦後の皇室が築きあげてきたものの否定になります。

 そもそも男系派の人たちは、伝統、伝統と言いますが、歴史を辿れば女性天皇は普通にいる。また、「歴史上の女性天皇は『中継ぎ』だった」という説も、現在の歴史研究では否定され、その時期の皇族の中で政治的に優れた年長の女性が天皇に即位しているとされています。つまり人物本位です。「女系」の天皇については、例えば天智天皇やその弟の天武天皇は、お父さんも天皇、お母さんも天皇の「双系」天皇ともいえる存在。考え方によっては、「女系」天皇もいたといえなくもないのではないでしょうか。少なくとも、「男系でずっと紡いできた」と、ことさら男系だけを強調するのはどうなのでしょうか。

©文藝春秋

女性宮家が必要な理由

 いまや「近しい」存在となった開かれた皇室には当然、負の側面もある。近しいからこそ見えてしまう部分です。いまの皇室がヨーロッパ型になって、国民との距離が近くなった結果、イギリスでダイアナ妃の問題が起こったように、日本では、眞子さまと小室圭さんのご成婚問題が生じました。

 この問題も、平成以降の皇室が道徳性を重視してきた一つの結果であるようにも思います。私などはお二人を見ていると、今時の若者らしさもあって「ご結婚されればいいのに」と思ってしまいますが、一方で皇族に道徳性を求める国民からすると、小室さんが“汚れて”見えてしまうのです。

 小室さんの問題はもう一つ、皇室の現状を映し出したと思います。それは、皇族そのものが少なくなっているという事実です。

©AFLO

 眞子さまには皇族として同世代の話し相手も限られますし、父である秋篠宮さまとの関係を調整する立場の方もいない。もし皇族がもっと多かったら、いろんなアドバイスをする皇族が出てきたはずです。昭和天皇の時代なら三笠宮さまをはじめとした皇族方がいた。高円宮さまがご存命だったら、現代でもそのような役回りを引き受けられたはずです。それがいまは皇族が先細ってしまい、“親戚のおじさん”のような役回りで、皇族の間でのトラブルを調整出来る人が全くいないのです。

 今後さらに皇族が減少することを考えると、女性宮家を作って、女性皇族に皇室に残ってもらうことには大きな意味があると思います。上記の様に、相談相手として、調整する立場としての存在意義を持つ皇族が増えることにもつながります。また、国民との距離を縮めることで今の高い支持につながってきた皇室だけに、担い手が減り続けたのでは、天皇の負担も、皇族一人あたりの負担も過度に大きなものになってしまいます。いまの「公務」を担うためには、やはりそれなりの数は必要です。