サウナが「好き」という人は日本人の3割にすぎない。だが、「熱い」「苦しい」といったイメージで敬遠するのはもったいない。サウナイベントをプロデュースする経営者・本田直之氏は「日本のサウナは熱く乾いた空気でのどを傷めやすい。これは本場フィンランドのサウナとはまったく違う」と説く――。

※本稿は、本田直之、松尾大『人生を変えるサウナ術 なぜ、一流の経営者はサウナに行くのか?』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

写真=iStock.com/petejau ※写真はイメージです - 写真=iStock.com/petejau

日本人の7割はサウナに苦手意識を持っている

日本人の中に「サウナを知らない」「サウナに全く入ったことがない」という人はほとんどいないだろう。温泉や健康ランドにサウナがあれば、誰でも一度は入ってみた経験はあるはずだ。

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にもかかわらず、サウナに対して苦手意識を持つ人たちは非常に多い。

去年、日本サウナ・温冷浴総合研究所によって発表された「日本のサウナ実態調査」によれば、サウナが「好き/やや好き」という人は全体の3割程度に留まり、サウナに対して「苦手」という印象を持っている人や「どちらともいえない」という人がほとんどであるという。

日本にサウナができたのは1957年以降

サウナはみんなが知っている身近なものなのに、なぜ、こんなにも多くの人が苦手意識を持っているのだろうか。

実は、これまでの日本のサウナは、ずっと間違っていたのである。

そもそも日本のサウナは、どれも1957年以降にできたものだ。

日本サウナの歴史をたどると、1956年にオーストラリアで開催されたメルボルン五輪に射撃選手として出場していた許斐氏利選手がサウナの存在を知り、当時銀座で開業していた東京温泉に導入したのが初めとされている。

日本のサウナは間違っていた?

ただし、当時のサウナはまだまだ知る人ぞ知る存在で、広く日本国民に知られるようになったのは、1964年の東京五輪開催時だった。フィンランドの選手が、選手村にサウナを持ち込んだことにメディアが注目してニュースとなり、一気に人口に膾炙、1966年には渋谷にフィンランドサウナの1号店「スカンディナビア・クラブ」が誕生し、徐々に、サウナ施設が増えていった。