マームとジプシーの藤田貴大、ハイバイの岩井秀人、はえぎわのノゾエ征爾ら、これからの演劇界を牽引する才能が一堂に集結する――。東京都多摩市のパルテノン多摩で行われる「演劇人の文化祭」は、前代未聞の“演劇のない演劇祭”だ。演出家や俳優、総勢17名によるイラストや舞台美術の展示の他、3月11日には1日限りのスペシャル音楽ライブを開催する。
「今の演劇界に、豊かな才能が集まっていることを、演劇以外の表現で証明するというイベントです」
と説明するのは、企画をプロデュースした演劇ジャーナリストの徳永京子さん。これだけ豪華な演劇人が集まっているのに、芝居を上演しないというのは大胆な試みだ。
「2009年頃から、以前とはまったく違った才能が演劇界に現れるようになったと感じ始めました。それまでの演劇界には、演劇のこと以外は考えるな! という雰囲気があったのが、今の若い人たちは絵画や小説、音楽など様々な表現の楽しみを知りながら、その中で演劇を選んでいる。そんなマルチな才能を紹介したいんです。玄人はだしの作品も多く、絵やライブを見てもらえれば、その劇団の演劇も観たくなると思います」
INFORMATION
『演劇人の文化祭』
3月3日~12日 パルテノン多摩市民ギャラリーにて
http://www.parthenon.or.jp/act/2901.html