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「ウルトラファイト」の魅力を熱く語る唐沢なをきさん。©文藝春秋

唐沢 「ウルトラファイト」は「そこまで計算していない」から、良い意味でヘンテコな味わいが出たんだろうなあ。あの時代特有のテキトーさ、ゆるさ、ぶっつけ本番の乱暴な感じ、色々混ざって偶然できたのがこの番組。

岩佐 意図的なものではないんですよね。天然というか。

唐沢 色々笑わせ方はあると思うんですけど、「ウルトラファイト」の再現はやめたほうがいいですね。この天然さは再現不可能。

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子供の夢と願望がつまったウルトラ作品

唐沢 放送当時は毎回、次はいつ観れるんだろう……と思いながら観てました。そんな環境だったから、マニアが育つわけだよね(笑)。

よしこ 今はプライムビデオとかあるから、昔のようなテレビっ子は育たないですね。実は、息子が3~4歳の頃は「ウルトラファイト」を観てたんです。

唐沢 息子はちょっとビビりで、普通の特撮番組でビルが倒れたり、人が苦しんだりする場面を嫌がるんです。でも、「ウルトラファイト」はそれがない。怪獣が出てくるまでの“ため”もないし(笑)。

岩佐 子供の夢の具現化ですよね。当時「ウルトラファイト」を初めて観た印象としては、「ムダがない」。子供は単純だから、人間のおじさんとか正直どうでもよくて、「怪獣とウルトラマンがいればそれでいいんだよ!」という気持ちです。その本音を形にしてくれた。

怪獣たち。『ウルトラファイト番外地』では、怪獣たちのキャラクターファイルも収録されている ©文藝春秋