多くの中国人が生活するカンボジア。中でもビーチリゾートで知られた地方都市「シアヌークビル」は、中国人による同胞への暴力や詐欺で日々逮捕者が報じられていることから、ゴッサムシティのような犯罪多発危険都市だと思われてしまうのも無理はない。
カジノやギャンブル産業が盛んであり、中国本国のような規制のない新天地を求め、一山当てたい中国人が集まり、続いて食堂やホテルや商店など中国人向けのサービスをオープンする人がやってきた。後者に関してはダメ人間という感じではなく、良識ある普通の中国人であり、イメージしたような世紀末都市とは異なっていた。
ただ、新しい人口が一気に流入したことでシアヌークビルはこの2年で大きく変わっていて、中国にありがちなビルが続々と建設されている。当局はカジノやギャンブル産業を排除しようとしているが、ギリギリまで儲けようとしているのか、まだまだカジノは稼働している。
ネット先進国中国と同様のサービス
カンボジアのシアヌークビルをざっと紹介するとこんな感じだ。すでにいくつかのメディアが報じている。が、実は見えない部分で、ネットサービスが超絶進化していたことについて紹介したい。
シアヌークビルは右を見ても左を見ても中国式ビルの工事現場だらけであり、その周囲はトタンやコンクリートの壁で囲まれている。その壁にはびっしりと中国語の貼り紙が無造作に貼られている。一部の貼り紙には、QRコードが大きく印字されている。最近貼られたであろう、新しいものだ。
ここでそれらのQRコードをスキャンしてみる。私は中国以外で利用するための日本で購入したソニーのスマートフォンと、Googleのアプリが入ってない代わりに中国のアプリをしこたま入れた、中国メーカーによる中国人のためのスマートフォンを分けて使っている(気休め程度の安全対策だ)。
まずソニーのXperiaに入れたLINEでQRコードをスキャンしてみると、中国版LINEというべき国民的アプリ「WeChat(微信)」のインストール画面が出てくる。ではWeChatの入った中国のスマートフォンで微信からQRコードを検索するとどうなるか。……ネット先進国中国と同様のサービスが提供されていた。これにはたまげた。