老女がいるのに気づき、急ブレーキをかけたが…
平成15年8月12日。午後1時40分頃、青森発八戸行き回送列車(6両編成)の運転士が、前方線路内にリュックを背負った老女がいるのに気が付き、急ブレーキをかけて停止。運転士は「接触した」と感じ警察に連絡。周辺を捜索したが、老女の姿はなく、車両にも接触した形跡はなかった。
平成19年12月10三日。 午後7時25分頃、名古屋発札幌行き貨物列車が、青森市奥野付近で緊急停車。運転士は、警察などに「線路におばあさんがしゃがんでおり、人身事故を起こした」と連絡。警察や消防、駅員らが捜索するが、「おばあさん」は発見できず。車両にぶつかった痕跡もなかった。運転士は「確かに人がいた」と話している。
平成22年8月1日。午前10時48分頃。野々市駅で、通過予定の名古屋発富山行き特急「しらさぎ1号」(8両編成)が急停止。男性運転士が「ホームから飛び降りた人をはね、衝突音も聞いた」と連絡。警察が人身事故とみて付近を捜索したが、けが人は見つからなかった。しかし、先頭車両には衝撃を受けたとみられる破損個所があり、JR西日本金沢支社は「全国でも例がないケースで原因は分からない」としている。
「死んだら仲間に加わるつもりです」
「どう思います」彼は何故か得意げに私に問いかけました。
「どうかな。ひょっとしたら疲れもあって、見間違いかもしれないよ」と私が答えると、彼はゆっくり手を振って、「見間違いじゃないですよ」と言うのです。
「リュックを背負ったおばあさんは、きっと電車が好きだったんですよ。だから、死後も色々な電車に乗って旅を続けているんですよ。ゆっくりと眺めたいときには、運転手をびっくりさせて、止まらせて見る」
「どうして言い切れるの」
「だって、私の部屋から何度も見ましたからね。そのおばあさん」そう言うと、少し笑みを浮かべた彼は、続けてこう言いました。
「最近、近所では見ないから、今頃またどこか遠くの線路や駅に、しゃがんで電車を待ってるんだと思いますよ。私も死んだら仲間に加わるつもりです」と。