ワインの味は葡萄の品種で決まる。その特徴を、メルローは「おっとりまったりお姉さま」、ボジョレーでおなじみガメイは「無邪気なわがまま娘」などなど、可愛らしいイラストとともに大胆にキャラクター化し、わかりやすく解説した本がヒット中だ。
「もともと僕自身がまったくワインの種類を選べなかったんです。入門書を繙いても内容がわからず、売り場の説明文を理解できている人がどれくらいいるのか疑問に思いました(笑)。そんなとき、ワインと肉のお店を実際に経営するソムリエの著者からこの企画が持ち込まれたんです」(担当編集者の橋本圭右さん)
いわば「ワイン入門書の入門書」という位置づけの本だが、売れ始めたのは意外な筋からだという。
「最初は初心者ではなくワイン通のあいだで話題になったんです。『こういうわかりやすい説明の仕方があったのか!』と驚かれた。それから書店以外での展開も大きかったです。まず乗ってくださったのはドン・キホーテさんで、ワイン売り場に本書のキャラを用いた特設コーナーを作って、本も合わせて展開してくれた。好評だったそうで、10店舗くらいから始まって、今では全国の店舗に広がっています。そのあとビックカメラさんでも売ってくれるようになり、ワイン売り場だけで5000部以上を売り上げています」(橋本さん)
この1冊、今後もワイン人口拡大に一役買いそうだ。
2015年12月発売。初版1万2000部。現在12刷6万1000部