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田舎の親が倒れた!「介護で人生を諦めない」ために出来る12のこと

命運を握るのは医療ソーシャルワーカーとケアマネジャー。介護休業と遠隔地見守りサービス で介護離職はしない!

第10条「介護帰省割引」の登録がオススメ

 そんなときは航空会社の「介護帰省割引」に登録するのがいい。航空会社によって多少条件が違うものの、戸籍謄本など必要書類を提出して登録しておけば、約3割引きで航空券が購入できる。当日でも割引が適用されるので便利だ。

 新幹線なら「エクスプレス予約」の会員になっておけば、東海道・山陽新幹線を割引価格で利用できる。

第11条「介護休業」「休業給付金制度」を賢く使う

 親が体調を崩したなど、数日実家に滞在する必要も出てこよう。そんな場合は「介護休暇」を取得しよう。

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 介護休暇は育児・介護休業法に基づく制度。取得できる日数は、介護が必要な家族1人あたり1年で5日まで。対象家族が2人以上なら10日までだ。

 取得できるのは、正社員や契約社員、アルバイト、パートで半年以上雇用された者。特に書面にする必要はなく、当日、口頭で伝えるだけでも取得できる。

 より期間を要する場合は「介護休業」の制度もある。要介護状態の家族1人あたり最大3回、通算93日まで取得可能。その間の給与は出ないが、「介護休業給付金」を申請すれば賃金の約7割が給付される。

 介護休業給付金を受け取れるのは、雇用保険の加入者だ。介護休業開始の翌日から10日以内に「休業開始時賃金月額証明書」を、勤務する会社がハローワークに提出する必要がある。

第12条公共の「見守りサービス」をうまく活用

 遠距離介護において、何より心配なのは親の安全。郵便局や水道・電気会社などに、局員や検査員が定期的に訪れて安否確認してくれるサービスもある。市区町村の配食サービスの利用もいい。定期的な安否確認の仕組みが地域にないか、しっかりリサーチしよう。

「民生委員など、日頃から高齢者宅を巡回している人と連絡を取り合って、見守りをしてもらうことも可能です」(浅井氏)

 認知症の母親を遠距離介護する工藤氏は、実家に「見守りカメラ」を設置し、スマートフォンで親の様子をチェックしているという。

「カメラは台所と居間にあり、スマホで切り替えられます。夏は熱中症も怖いですが、エアコンの温度管理もスマホでできます」

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「介護で人生を諦めたくなかった」

 遠距離介護を選ぶ理由について、工藤氏はこう語る。

「認知症の母親のことはもちろん心配ですが、介護で自分たちの生活が成り立たなくなる、というのは絶対いやだった。人生を諦めたくなかった。あと、自分が親だとして、子供が自分の世話のために介護離職し、それまでの家も生活も全部なくして田舎に帰ってきたら、それを嬉しく思うでしょうか? 負担に感じたり、自分を責めたりするかもしれない。介護を始めるにあたり、自分たちの生活をしっかり守るということをまず考え、私は遠距離介護を続けているのです」

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