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2 整理整頓が出来ておらず、家の中が汚くなった

 以前はきれい好きだったのに片付けが出来ておらず、部屋が汚くなっている……これは、年で体が利かなくなったから、だけではない。認知機能の低下が原因かもしれないのだ。

「あまりに雑然とし、平気でゴミや食べ物を落としたままにしていることもあります。食器棚の様子も注意して見た方がいい。同じお皿やお椀は、ふつう重ねて収納しますが、その場所がわからなくなり、ただ雑然としまっているだけ、という状況になっていることもあります」

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3 冷蔵庫に賞味期限切れの食材や、冷蔵庫に入れる必要のないものがある

「認知症による計画性の低下が考えられます。同じ食材ばかりを買ったり、買ったこと自体を忘れてしまっているのです」

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 缶詰や煎餅など、冷蔵庫に入れる必要のないものが入っていることもある。預金通帳まで冷やされているケースも。防犯やへそくりではなく、「大事なものはとりあえず冷蔵庫に」という意識でやってしまうのだ。

「逆に、豚肉などの冷蔵品を戸棚にしまっていたケースもありました。認知症と診断される前の方でも、こういうことがあります」

 3日間ずっと同じ炒め物は変!

4 料理の手順が悪くなり、レパートリーが減った。味が変わった

「手順が悪いのはデュアルタスク、つまり2つを同時進行する能力が落ちているということ。魚を焼きながら味噌汁を作るはずが、焦がしてしまい、鍋も吹きこぼす。それで仕方なく一つ一つやるので時間がかかる。

 もともと料理好きでレパートリーも多かったのに、この3日間ずっと同じ炒め物ばかり続くな……という場合も注意してください。自分の親なので客観的に見ることが出来ず、『たまたまこの食材をまとめ買いしていたんだな』と思い込みがちです。でも、さすがに3日連続は変ですよね」

 味が変わるのは、やはり嗅覚の問題が考えられる。ふつうの加齢変化ならば味覚が鈍くなり、味は濃くなる。ところが嗅覚や認知機能の低下の場合、調味料の加減という次元ではなく、味自体がめちゃくちゃになってしまうという。