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10 同じ話を繰り返したり、少し前の出来事を覚えていない

「誰でも加齢とともに物忘れの症状は出てくる。たとえば先月会った人の名前を思い出せない、というのは加齢によるものです。

 一方、出かけて誰かに会った、という行動自体の記憶がスポッと抜け落ちている忘れ方は、認知症特有のものです」

母には息子、父には娘が説得する

 自分の家族が以上のような様子を見せた場合、物忘れ外来を受診させるなど、すぐに手を打つことが重要だ。

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 だが、素直に行ってくれないケースもある。どうやって連れ出せばいいか。

「両親のうち元気なほうに頼んで、『私も不安だから一緒に受けましょう』と誘ってもらい、認知機能のテストを受けるのも1つの方法。自治体が実施している検診のタイミングなどで相談するのがいいでしょう。

 また、母親だったら息子が、父親であれば娘が、というように、義理の関係でもいいので異性が説得するのがコツです。実際に外来を見ていても、この組み合わせで来られるケースが多いですね」

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 それでもどうしても納得してくれない場合は、専門医のチームに自宅に来てもらう方法もある。

 国立長寿医療研究センターの遠藤英俊氏が話す。

「2018年4月から『認知症初期集中支援チーム』が全国の市町村に設置されています。地域包括支援センターなどに連絡すれば、医療と介護の専門チームが自宅まで来て、相談に乗ってくれるので、無理に引っ張りださなくても大丈夫です。19年度には当センター主催の研修を受けた1万人の認知症サポート医が待機する体制になります」

 実家に帰ったとき、「何か変だな」と感じた場合、その直感は核心を突いていることが多い。毎日顔を合わせているとなかなか気がつかないことでも、たまに会った肉親だからこそ、親身に、細やかに見ることが出来るのだ。

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 この10項目に当てはまる変化を感じたら、気のせいかな、ちょっと様子を見ようかな、ではなく、すぐに専門医に相談することが大切だ。

監修:土岐内科クリニック 長谷川嘉哉理事長