2019年9月23日、ニューヨークで開催された国連気候行動サミットにおいて、16歳のグレタ・トゥーンベリが演説して以降、SNS上では彼女に関する話題にあふれている。もっとも、たいていは非難であったり、称揚であったり、中傷であったり、はたまたいわゆる「糞コラ」の題材にされているが、いずれにせよほとんどマトモな取り上げられ方ではない。

9月23日、国連気候行動サミットで演説するグレタ ©︎AFLO

 ネットネタには割と食いつく筆者だが、グレタに関しては色々と思う所があり、これまで彼女に関してほとんどネット上で言及してこなかった。が、文春オンラインから「2019年 私が選ぶ『名言・迷言・珍言』」という企画の話が来た時、迷ったがグレタの発言について書こうと思った。ネタではなくマジメに。

喫緊の課題であることは間違いない

 初めに言っておくと、筆者はグレタの主張には同意どころか、真逆なところを多く抱えている人間である。彼女は動物食を一切しないヴィーガンだが、自分は好き好んで狩猟なんぞやっている人間だし(ただし、グレタがヴィーガンになったのは、畜産による環境破壊を理由にしているようだ)、パフォーマンスのために総合的に環境負荷がより高いかもしれない移動手段使って何やってんだとしか言いようがない。

ADVERTISEMENT

 ただ、グレタが一番訴えている温室効果ガスの削減については、喫緊の課題であることは間違いないと思っている。彼女がここまで神がかり的に主張しているのは、今までの温室効果ガス削減目標では、不可逆的な地球環境変化が起こるとされる「臨界点」がすぐ来ちゃう可能性高いよってことで、オメーらもうすぐ死ぬ大人どもはいいだろうが、悪化した環境押し付けられるワイら子供世代はたまったもんじゃねーよ、バカヤローってことですよ。それで環境に関係ないこと話してりゃ、「よくもそんなことを!」と叫びたくもなりますよ。

©iStock.com

 彼女の演説や主張に異論はありますよ。でも正直なところ、こういうことを子供世代から、あんなに憎悪のこもった表情で言われたことなかったので(多くの人もないだろう)、自分的には相当のショックだったんですよね。これ読んでいる人の中にも、団塊世代を憎んでいる世代の人は多いだろうが、それをもっと若い世代から自分に向けられた感じ。多分。