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「ちょうちんごろし」は消えても道は残る

 泉岳寺駅の北にタクシードライバーのあいだで「ちょうちんごろし」として有名な地下通路がある。正式名称は、東京都港区区道241号線の一部「高輪橋架道橋下区道」だ。JRの線路をくぐり抜ける道路で、高輪側から芝浦側へ一方通行の車道、そして歩道が作られている。「ちょうちんごろし」の由来は地上高が低いから。最低地上高1.5メートル。セダンタイプの乗用車は通れるけれども、タクシーの屋根上にある社名表示灯、通称「提灯」が当たって壊れてしまう。だから「ちょうちんごろし(提灯殺し)」だ。

「ちょうちんごろし」と呼ばれる高輪橋架道橋下区道

 この道路は、品川開発プロジェクトにともなって閉鎖されるという噂もあった。しかし、JR東日本の資料によると「他事業で整備予定」となっている。区道だから港区が整備するようだ。整備するからには拡幅や高さ改良も実施されるだろう。道は残るが「ちょうちんごろし」の異名は過去のものになりそうだ。

 歩いてみると、自動車も歩行者も多い。歩行者は少し前屈み。自転車に乗った人は上半身を伏せるか、首をかしげつつ走っていく。区道の東側は浄水場と公園だけだと思っていたけれど、その北側にある芝浦橋を渡るとマンションやオフィスビルが建ち並ぶ。田町駅より泉岳寺駅の方が近い地域だ。

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駅構内では掃除や案内にロボットを多用

 ちなみに、東京無線タクシーは東京タワータイプの提灯を載せているけれど、このエリアを通りそうなクルマには、東京タワーのてっぺんの尖った部分を省略した提灯を載せていた。いま通っていくクルマはどれも小型の提灯を乗せていた。最近導入が進んでいるトヨタ製「ジャパンタクシー」は通れないから、道路の改良が待たれる。

「省略型」の提灯を載せた東京無線のタクシー

 なお、高輪ゲートウェイ駅の南側にも東西連絡の歩行者専用道路が作られるし、さらに南側には環状4号線延伸部が通る予定になっている。

 ここまで、駅周辺の開発工事のほかは期待を持たせる景色はなかった。JR東日本もそれを見越して、高輪ゲートウェイ駅そのものを盛り上げようとしている。たとえば駅構内は掃除や案内にロボットを多用し、デジタルサイネージを楽しく演出する。AIを活用した未来の駅をデモンストレーションして、その様子は3階のスターバックスから眺められる。駅前広場では開業から半年にわたって「Takanawa Gateway Fest」を開催し、アート、テクノロジー、食のイベントを開催する。