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2019/12/29

 08年に他界した沈美子氏は韓国・遺族会の対日補償請求裁判原告の1人で、元慰安婦としても数々の証言を行ってきた。頭脳明晰で弁が立ったといわれ、元慰安婦の中ではリーダー的な役割を果たした1人だった。彼女は水曜集会を「恥ずかしい行為」だとして、中止を求め挺対協などに対して裁判を起こしたこともあった。 

 前出・参加者が語る。 

「沈美子は韓国政府からも認定された元慰安婦でした。ところが挺対協は、彼女に批判されたことが気にくわないのか『沈美子は元慰安婦として疑わしい』と言い出し、慰安婦の名簿等から彼女の名前を消した。彼女の人生を否定するような、人権を踏みにじる行為を挺対協はしているのです」

挺対協と衝突する、被害者団体による集会の様子(著者提供)

 つまりは、市民団体は自らのイデオロギーのためなら、事実を歪曲することも厭わないということなのだ。こうした行動原理は、日韓融和の障害にしかならないのは明白だろう。 

 徴用工問題においては同じく市民団体である民族問題研究所や左派弁護士が徴用工裁判を仕切り、日韓関係を悪化させてきた。まさに挺対協と同じ役割を彼らは担っているのだ。 

 日韓首脳会談においても文大統領は「被害者が同意する方式であれば、さまざまな方法で(徴用工)問題解決は可能」との考えを伝えたとされる。韓国メディアも「被害者は日本による直接の賠償を要求している」等と報じているが、得てしてこう主張しているのは市民団体であって、実被害者ではないケースがほとんどだ。 

 市民団体を排除し実被害者の意見に真摯に耳を傾けることこそが、解決のための第一歩なのだ。 

11月27日、ソウルの韓国国会前で文議長案に反対する原告側弁護士ら ©時事通信社

2つ目のポイントは「日韓による実態調査」

 2つ目のポイントは、「日韓による実態調査」である。本当の意味での未来志向を目指すのであれば、まず戦時に何が起きていたのか日韓で事実を共有、もしくは検証する必要があるだろう。不幸な歴史を繰り返さないためにも「事実」を共有すべきなのだ。 

「例えば元慰安婦についても、日本政府は何人いてどんな経験をしたかについては一切把握していないのです。ほとんど韓国政府や市民団体の言いなりのなかで対応してきたに過ぎません。徴用工においては、もっと杜撰になっています」(元慰安婦支援者)