四月十日の夜、浅田真央ちゃんが現役引退という速報が全国を駆け巡ったわネ。翌日からYahoo!が「浅田真央選手に国民栄誉賞を授与すべき?」というアンケートを実施。ボクは迷いなく「授与すべきではない」をクリック。四月二十一日現在、賛成が四一・七%、反対が五八・三%。じつに六割近くの人が「反対」してるのよ。
色々意見もあるようだけど、ボク自身の気持ちとしては、彼女を「偉業を達成したアスリート」というまつりあげた存在にしたくないの。国家なんかにレッテルを貼らせたくない! 男性には心の恋人、子供たちの憧れのお姉さん、おじいちゃんおばあちゃんからは可愛い孫。単なる勝負の世界を超えたフィギュアの“妖精”なのよ。
引退記者会見はボクも画面を食い入るように見た。記者の質問に一つ一つ、受けなど狙わず誠実に答える純粋さ、最後にはこみあげてきて、けれども泣き顔は見せまいと後ろを向く奥ゆかしさ。
ライバルといわれたあのキム・ヨナがいつも圧倒的な強さを感じさせるのとはある意味対照的ね。彼女も韓国では大変な人気者。引退後もその影響力の大きさは変わらないようだけれど、それはきっと、彼女の隙のない「完璧さ」が韓国の国民にとっての理想そのものだから。一方、真央ちゃんは強さと脆さがずっと背中合わせ。お母さんが亡くなった直後の全日本で見事優勝したり、ソチ五輪ではまさかの十六位に沈んだショートから一夜明けて完璧なフリーを見せてくれたり……。弱さを抱えながらも、ひたむきにスケートに向き合う姿は日本人を引きつけてやまないのよね。
羽生結弦選手のコメント、「ジャンプを跳ぶ度に真央ちゃんが心の中に生きている」。ゆづのジャンプに真央ちゃんが息づいていると思うと、平昌五輪が超楽しみな尾木ママです♡