昨年発売されていたニューズウィーク日本版2019年12月17日号で、ジャーナリストの石戸諭さんが「ヤフーニュースとはなんぞや」という特集をぶちかましておりました。特にこれと言った新情報もなかったんですが、みんな薄々思っていたことを現象としてうまくつなぎ合わせて論じていたこともありまして、年末年始にネット界隈で改めて話題となったわけであります。

特集:進撃のYahoo!
https://www.newsweekjapan.jp/magazine/256301.php

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掲載されると100万単位で読みにきてもらえる

 私自身もヤフーニュースで記事を書き、トピックスで取り上げていただくこともあるので利害関係者と言われればその通りなのですが、いまスマートニュースやLINEニュースなどニュース配信サービスが興隆してきていながらも、ヤフーニュースはなおニュース配信ポータルとしてトップに君臨しているのは間違いありません。

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 なにぶん、ヤフーニュースのトップやトピックスに掲載されると100万単位でユーザーさんが読みにきてくれる記事になるということで、ヤフーに記事やコンテンツを提供している新聞社や雑誌社、ネットニュースにその他大勢、どうしても「いかにヤフトピに掲載してもらうのか?」という動機に直結するわけであります。当たり前ですよね、ヤフートピックスに記事を掲載されれば、多くの読者を集めることができ、その読者が観たページ数だけ、1回あたりいくらという報酬が、記事を提供した会社に入ることになります。

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 そして、これらのヤフーニュースのトップに掲載するニュースを選ぶ「トピックス編集部」の「代表」は、記事によれば入社3年とメディア業務に従事した経験の浅い若者であるという。

 何だろう、このベテラン大工やとび職が、大学出たてで建設会社に入社した若者に管理されてしまう的な我が国の縮図は、と思うわけですけれども、石戸諭さんはこれを「権力」の行使であると言い、取材に応じたヤフーの現場サイドはあくまで「影響力」であると応じる。我が国のニュース記事の流通は、現場を見れば見るほど「意外と考えられているんだな」という納得と「え、そんな感じで成り立ってていいの」という驚きとで構成されているように思います。