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「サセックスロイヤル」のブランド使用は無制限に認められるのか

 さらにメーガン妃は“離脱”宣言直前の昨年末に自分の会社の登記を米カリフォルニア州から「タックスヘイブン(租税回避地)」の一つとされるデラウェア州に移している。

 州税の売上税なし、個人所得税率は6.6%以下、法人所得税率も8.7%以下というデラウェア州がどんなところかと言えば、米誌フォーチュンが毎年発表するアメリカの総収益ランキング・トップ500の約65%が登記を置く。

 会社の所有権について開示を求められず、たった50ドル(約5500円)で会社を代表する代理人を雇うことができるからだ。

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 これから「サセックスロイヤル」ブランドを使ってエリザベス女王を支えるためにチャリティー活動をしようという人がどうしてタックスヘイブンに会社の登記を移さなければならないのか。

1月14日、女性のためのチャリティー団体「Justice For Girls」を訪れたというメーガン妃

 常日頃、タックスヘイブンと批判される英王室属領マン島の首席大臣は「アメリカこそ秘匿性の高いタックスヘイブンだ」「規制が緩いデラウェア州では1つのビルにマン島の10倍近い会社が登録している」と批判したことがある。

 前出のマクララン教授は「実行可能な解決策を見つける方法には多くの潜在的な対立がある。王室の称号を維持するのは問題がある。商業的ベンチャーに関しては厳しい制約が付けられる」と語る。

「エリザベス女王はセレブ文化に王室ブランドが汚されることを避けるよう切望したのだろう。現代の消費者文化の中で王室ブランドの主要な課題はセレブより上位に位置し、一定の神秘性を保つことだ」

「このバランスはハリーとメーガンの独立への動きによって確実に脅かされている。2人に商業的な収入ができれば税金の問題が生じる。デラウェア州への法人登記の移転報道が本当なら、ハリーとメーガンが王室ブランドを汚す恐れが膨らみ、さらなる嵐を巻き起こす」

 王室を連想させる「サセックスロイヤル」のブランド使用が無制限に認められるのか、大きな疑問が残る。

「公務のための公的資金は受け取らない」の真意

(4)メーガン妃とヘンリー王子が放棄する公的資金とは?

「公務のための公的資金は受け取らない」(バッキンガム宮殿)

 2人は「公的資金には依存したくない」意向だが、公的資金がソブリングラント(王室の活動費)10万ポンドまたは200万ポンド(1425万円または2億8500万円)とチャールズ皇太子に属するコーンウォール公爵領からの利益配分230万ポンド(約3億2900万円)のうち、ソブリングラントだけを意味するのか、両方を指すのかはっきりとは分からない。

 デーリー・メール紙の試算をもとに、2人の年間予算(推定)は下の表のようになる。

推定されるヘンリー王子とメーガン妃の年間予算

 チャールズ皇太子はすでに結婚、出産で出費のかさむヘンリー王子にウィリアム王子より多くの利益を配分しており、家族会議で「支援するにしても限りがある」と、陸軍時代に給料をもらった経験しかないヘンリー王子に釘を刺したと報道されている。

 公務を全くしないのでソブリングラントは受け取らないが、チャールズ皇太子は父親としてコーンウォール公爵領の利益から支援を続けるとみられる。