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2020/01/22

留学生選手の公式戦出場停止が決定された“ある理由”

――具体的にどのような規制を?

「2001年に全世界規模で、18歳未満の選手の国際移籍を原則的に禁止するという規則を設けました」

――“原則的に”ということは、例外も?

「選手の親が自身の仕事のために海外へ移住し、それに子供がついてきた場合や、外国籍であっても当該国で5年以上継続して居住した後の場合、難民認定されている場合などは、当該国の協会への登録が認められ、公式戦でのプレーが可能となります」

 だとすると、合点のいかないことがある。

――2001年にそのFIFA規則が定められて以降も、日本の高校サッカーでは留学生選手が公式戦に出場していましたよね。

「ええ。というのも、生徒が学校教育の一環としてスポーツ・文化活動に打ち込む『部活』は、日本が世界に誇るべきポジティブかつユニークな伝統です。そんな日本独特の背景や長年の歴史を考慮し、JFAとしては選手登録制度を柔軟に運用してきました。部活でプレーする留学生選手は、教育上の理由で日本の学校にやってきて、その学校のサッカー部に入部したわけですから、クラブ強化のために契約して海外から移籍させた選手とは異なる存在であるという解釈で、選手登録や公式戦でのプレーを認めてきたのです」

 JFAは部活サッカーにおける留学生選手に対し、最大限の配慮をしていたわけだ。

留学生選手の草分け的存在、三渡洲アデミール ©文藝春秋

――それがなぜ突然、昨年10月のJFA理事会で留学生選手の公式戦出場停止が決定されてしまったのでしょう。

「2018年、ある高校の部活チームへの留学生選手の登録に関して、FIFAから規則違反を指摘されました。確かにその選手は18歳以下でしたし、例外条件を満たしていたわけでもないので、指摘内容は認めざるを得ません。結果として我々はFIFAから是正勧告を受け、罰金も支払いました。ただ補足させてもらえば、FIFAからの処罰の対象になった選手は、まったく純粋に勉学目的で留学してきた生徒でした。当然、高校側も強化目的で彼を入部させたわけではなく、受け入れに際して金銭のやりとりなども行われていません。人身売買などとはまるで無縁の選手登録だったのです。にもかかわらずFIFAのモニタリングで検出され、問題視されたというわけです」