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2020/01/30

 中国で団体旅行禁止令が発令される直前の、1月25日午後。私が『週刊文春』最新号(1月30日発売)の特集記事に協力する形で、浅草で取材した福建省厦門市出身のツアー参加者の30代女性はそう胸を張った。彼女のそばでは「電子マスク」を首からペンダントのようにぶら下げた7~8歳の女の子数人が遊び回っている。

 親戚一同で春節の海外旅行に来たという彼女は、在日中国人のガイドから言われるままに中国人団体旅行客専用の薬局に連れて行かれ、怪しげな商品を爆買いさせられたらしい。他にも浅草では、広東省汕頭市出身のツアー参加者の30代中国人男性から「日本人はみんな『電子マスク』を使っているから新型肺炎に感染しないとガイドに言われたけれど本当か?」と尋ねられたりした(念のために書いておけば、マイナスイオンなるものが人体の健康に与える効能の多くについては科学的に証明されておらず、もちろん未知の新型コロナウイルスを防ぐ効果も証明されていない)。

 こうした、ある意味でかわいげがある中国人団体観光客たちは、2月からはほとんどいなくなる。近年、観光立国を目指してきた日本にとって、中国発の新型肺炎が前代未聞の冷水を浴びせかけられる事態になることは間違いない。

 中国人の訪日旅行客たちは、ときにトラブルがささやかれつつも多額のお金を落としてくれる存在だ。いなくなったらいなくなったで、やはり影響は大きい。一刻も早いパンデミックの鎮圧を望みたい。

感染が拡大する武漢の病院。医療スタッフが防護服を身にまとい、発熱患者の受付を行っている ©AFLO

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