「中国人入国拒否」の請願者数は67万人を突破
韓国は他国に遅れ2月4日0時から、「中国の湖北省を14日以内に訪問したり滞留したことがあるすべての外国人の入国を全面禁止」し、済州島観光でのノービザも一時中止にしている。
この背景には与・野党の対立も見え隠れしている。当初、韓国では野党の自由韓国党が「(中国人の)入国禁止を検討すべき」と政府の対応を批判していたが、与党・共に民主党は「不安を煽ってはならない。政争にしてはいけない」などとして対立していた。しかし、「中国人入国拒否」の請願者数は時々刻々増えており(2月5日現在67万人超)、「無視できない状況もあった」と別の中道系紙記者は言う。
「野党は2015年のMERS(中東呼吸器症候群)の際、『対応が遅かった』と現在の与党から相当突き上げをくらいましたし、4月の総選挙も見据えて与党の力を削ぎたかった目的もあったかと思います。それにしても、中国内で感染者数が増えているわけですから、与党はそれに伴った対応を敏速に行うべきでした。ただ、感染者の動線を把握し、防疫作業をしっかり行うなどの対応は迅速で徹底している。また、5日には入院していた感染者が初めて退院しました。これらは評価すべきでしょう」
中国へ渡航できないならば日本へ、という動きも
武漢などに住んでいる韓国人701人は帰国したが、企業関係者や中国人の配偶者がいるなどして武漢を離れられない人が200人ほどいるといわれる。
当初、帰国者の受け入れ先となっていた忠清南道・天安市で反対デモが起こると、急遽、ソウルから車で2時間ほどの地方にある施設(「警察人材開発院」と「国家公務員人材開発院」)に受け入れ先を変更。一時、地元住民からは反対の声があったが、それもすぐに収束し、空港での検査などにも支障はなかったといわれている。ちなみに帰国者は1人1室という(12歳以下の子供は別)厳格な体制だ。
韓国の新学期は3月だ。2月に入ってからは中国に帰国している7万人にのぼる中国人留学生の受け入れが取り沙汰され始め、開校を延期する学校も出てきた。