『スタンフォード式 最高の睡眠』(西野精治 著)

 睡眠研究の総本山・スタンフォード大学で長年研究を続ける著者。本書はその日本語による初めての著作だ。「睡眠医学」の最先端を詰め込んだ内容が多くの読者に受け入れられている。

 中でも大きな反響を巻き起こしたのが、NHKスペシャルでも取り上げられた「睡眠負債」という概念だ。スタンフォードの研究者は「睡眠不足」ではなく、代わりにこの言葉を用いる。睡眠時間の短さはその場限りの問題ではなく、累積して恐ろしいダメージを人体に与え、回復するには不足分の何倍もの睡眠時間を必要とする。悪徳金融も驚く高金利の「負債」なのだ。

 しかし本書は、飲酒を禁止するなど、現実味のない改善策を読者に求めない。

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「もともと忙しいビジネスパーソンをターゲットに想定して作った本です。『とにかく睡眠時間を確保しましょう』といったおよそ実行できない助言ではなく、比較的試しやすい提案をお願いしました」(担当編集者の梅田直希さん)

 著者が示すのは、〈黄金の90分〉という入眠直後の睡眠の質に拘るメソッドだ。入浴等で入眠し易いように体温をコントロール。睡眠前の行動をルーティン化し、脳を興奮させない。科学的な理論に基づくノウハウが丁寧に語られる。

「書名に『最高』と入れたからには、続編は今のところまだ考えていません。現時点での睡眠に関する本の決定版だと自負しています」(梅田さん)

2017年3月発売。初版8000部。現在20刷13万部

スタンフォード式 最高の睡眠

西野精治(著)

サンマーク出版
2017年2月28日 発売

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