年末年始、少し回復していた安倍政権の支持率ですが、1月から2月にかけて大きく低迷し始め、調査によっては支持を不支持が上回るという結果が出てきました。学校も全国的に休校になるらしいですね。

「桜を見る会」でのドタバタ答弁や、安倍晋三総理自らが飛ばした野次を問題視されて謝罪に追い込まれるなど、よく考えたらモリカケ騒動以降も日常的に見られる国会の風景ではあります。ただ、とりわけコロナウイルス(COVID-19)が日本全体をパニックに追いやり始めた2月第2週以降、支持率下落が顕著になっているように見受けられます。

 つまりは、桜を見る会や東京高検検事長・黒川弘務さんの定年延長問題といった、いわゆる政治産業を報じるマスコミの関心事でいくらメディアが盛り上がったところで支持率はそこまで落ちませんでした。ところが、消費税増税にともなう景気低迷やコロナウイルス禍のような国民の生活にダイレクトに響くような分野での失政は、そのまま内閣支持率の下落に繋がるようであります。

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©文藝春秋

もう、憲法改正どころではないと思うんですよね

 景気の低迷については、いわずもがな消費税増税による落ち込みは否定できない反面、大型台風到来による被害や、暖冬の影響もあり、2019年第4四半期(2019年10月から12月期)は名目GDPの成長率は前期比マイナス1.2%(年率でマイナス4.9%)というゴミみたいな結果になってしまいました。

 アベ政治が悪い。もちろん、消費税引き上げはこれから増えることが確実の高齢者を支えるための社会保障費をどう捻出するのかという安定的財源を求める話だったのですが、消費税によって入る歳入よりもこれによって景気が低迷してしまって入らなくなる法人税・所得税のほうが大きくなって、結局社会にとってはカネが回らなくて大変じゃん、みたいな結論になったとしたら残念なことです。

 しかも、次の四半期である2020年1月から3月期は、思い切りコロナウイルス禍による景気低迷を引き起こすことは確実です。あまりにも観光地に人が来なくなってしまったので、政府も潰れそうな観光業などの事業者に対して特別融資を実施するなどして底支えをしなければならなくなりました。

 これでもう、憲法改正どころではないと思うんですよね。おそらく向こう半年は、景気回復に向けてどうするのかという経済政策が中心にならざるを得ないと思います。