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「右」からも見放される安倍政権が抱える習近平訪日・コロナウイルス・東京五輪

前途多難なので大仏でも建立しますか

2020/02/28
note

東京五輪が開催できないとなれば、政権へのダメージは計り知れない

 だからこそ、ゴリゴリの安倍政権支持であったはずの著名人・知識人もまた安倍政権に対する失望を叫び、この状況で国民のための政治ではなく習近平さん来日に血道を上げるアベ政治を許すな的な話に逆回転してしまうのも分からないでもありません。

 ここでうっかり習近平さんも来日できない状態になれば、当然日本は世界的に危険な感染地であるという認知をされてしまうことになります。その後いかに日本が終息宣言を打ったところで、東京オリンピックの開催に黄信号が灯るのも致し方のないところです。日本に選手団を派遣しない国が出たり、出場を辞退する選手が増えれば、当然イベントとしてはシュリンクせざるを得ませんし、これでどうやって観戦客を呼び込むのかという話も出るでしょう。馬鹿みたいにおカネを使っていろんな整備を進めておきながら、最終的に一大イベントであった東京五輪が開催できないとなれば、政権へのダメージは計り知れないわけですよ。

©iStock.com

 足元を見れば、景気低迷が株安を引き起こし、アメリカでもダウが大幅に調整をしてしまっている中で、コロナウイルスの直撃とそれに対する社会不安・パニックが、いろんな思惑をなぎ倒しながら未来を暗くするような方向に進んでいるのは事実です。おそらくは、コロナウイルス対策の強化と並んで低迷した景気を立て直すための包括的な追加予算をどうやって捻出するのかという難題が安倍政権の前には立ちはだかります。

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 この国難を回避するために大規模公共工事として大仏でも建立して厄払いをするしかないんじゃないかという冗談も出る状態です。これでもうすぐ東京都知事選があり、さらに安倍晋三さんの自民党総裁4選があるかないかという情勢になってしまうと、コロナウイルスがむしろ不安要素を洗い出してくれているぐらいの勢いなんじゃないかとすら思ってしまう毎日です。

※2020/02/28 07:30 一部加筆修正しました。

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