コロナウイルスは基本的に風邪の類
で、直近の問題はこのコロナウイルス対策でありまして、国内で騒ぎが広がり出してからおおむね1か月が経ち、コロナウイルスの正体もだいぶ分かってきました。日本の感染症対策の中心で活躍しておられる高山義浩さんのFacebookが一番現状と今後の展望を明確に示していると思うので、ご関心のある方はご一読ください。
厚生労働省の公式ホームページでも「新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)」が掲示され、また、BuzzFeedでは岩永直子さんが感染症対策の専門家・坂本史衣さんのインタビューを通じて、コロナウイルスの感染が疑われる「軽症者」に対してなぜ検査を行わないのかという疑問に対して明快に回答をしています。
新型コロナ、なぜ希望者全員に検査をしないの? 感染管理の専門家に聞きました https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/covid-19-sakamoto
おそらくは、政府も相応に考えて、コロナウイルス対策について疫学的に概ね正しい政策を打ち出し、しっかりとした対応をしてきているとは思うんですよ。もちろん、多数の感染者を出して国際的に問題になったダイヤモンド・プリンセス号の問題はありましたが、これも結局は本来日本が寄港拒否をしてもおかしくない事態なのに、高齢な日本人客が多数乗船していたので無視できなくて受け入れてみたら大変なことになった、という背景があります。もしもその対応を拒否してしまって日本人に多数の死者が出たら、それはそれで政府は世論から激しくぶん殴られていたことでしょう。
そこへ、なぜか厚生労働副大臣の橋本岳さんが出てきて不用意に正直な見解を述べ、画像を公開してしまったので不当に世論からぶん殴られるという事態になりましたが、感染症の専門家だけど組織的な対策チームの決まりを守らずに2時間かそこらで船から降ろされた神戸大学教授で医師の岩田健太郎さんが業務パンパンになっている現場の状況を無視して余計なことを国内・海外に喧伝したから起きた話で実に残念な事件でした。
それやこれやあり、コロナウイルスに関しては国民からすれば不安でしょうがない話になって、最大の関心事に発展したのは事実です。もちろん、現時点では希望者全員に感度の高い検査を行うことはできないし(疫学上はする必要もないし)、仮に感染が確認されても積極的な治療の方法はないので病院で手厚く寝かされる以上の処置はできないわけです。みようによってはインフルエンザ以上の感染力や重症化もあるかもしれないけど、基本的に風邪の類であって、糖尿病などの基礎疾患のある70代・80代以上の高齢者にとっては大変であるという疾患と見られます。