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2020/02/28

コロナウイルスが危険だと感じるのは不安があるからなんですよね

 理性的に考えれば、コロナウイルスの流行は騒ぎすぎであり、国際的にパニックになっている割に、実際に本当に人が亡くなっている数としてはインフルエンザだったり結核、風疹など別の感染症のほうが多く、下手をすると毎年1,600人ぐらい亡くなるお餅をのどに詰まらせる事案のほうがよほど危険です。

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 ただ、コロナウイルスが危険だと感じるのは、まだ治療法がはっきりわかっておらず、感染拡大に対して防備しようにも限界があり、いまアメリカで16,000人亡くなっているインフルエンザの猛威以上にコロナウイルスが流行したら多くの人が死んでしまうのではないかという不安があるからなんですよね。

 つまりは、学術的に、医学的に見てコロナウイルスへの対策が正しいのは間違いないにしても、社会的に、精神的に不安を感じる人たちにとっては、学術的な100の説明よりも熱が出て不安な自分に検査をしてほしいということなのでしょう。

「体調不良を感じたら2週間寝ててください」という対策は正しい

 保健所も大変だし、病院に症状を抱えた人がやってきてそこで感染爆発をしてほしくないから「体調不良を感じたら2週間寝ててください」という対策は正しいはずです。しかし、体調不良をきたした人にとっては、やはり「体調悪いのに検査も受けられないのかよ」という不満が先に立ちます。病院にいって診察され検査を受けられることが不安払拭にとって大事だ、というコミュニケーションの問題だとも言えます。

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 同じくパニックになった東日本大震災、それに続く福島第一原発事故の教訓を、思い出すべきじゃないでしょうか。我が国にとって非常に不幸な福島第一原発事故が起きて放射能汚染で物凄く騒いだけれども、実際に亡くなった人の数としては、津波による犠牲者のほうが原発事故そのものや避難生活による死者よりも圧倒的に多かった。そして、その後の日本人には放射性物質に対する恐怖感や不安だけが色濃く残って、原子力発電所の再稼働を各地で差し止め、でも電力は必要なのでぼんぼん化石燃料を燃やして火力発電をフル稼働させて、その後グレタさんに叱られて環境大臣・小泉進次郎さんが世界の中心でセクシーとか言ってしまう事件が起きるわけです。