Q 隔離の方法に問題はなかった?
クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」の乗員・乗客が、新型コロナウイルスに集団感染しました。検査結果が発表されるたびに、陽性の人の数が増えるばかりでしたが、隔離の方法などに問題はなかったのでしょうか。(60代・男性・無職)
A 危機管理能力が決定的に欠落していることが明白に。
当初は船の乗客を全員下船させなかったので、全員隔離のような状態になるから当然のことだと私も楽観視していたのですが、まさか船内が感染者と非感染者が行き交うような状態になっていたとは思いませんでした。
船の中で作業をしていた厚労省の担当者が感染したことを知り、事態を甘くみていたのではないかと思いました。担当者は、下船口の外側にテントなり仮設の建物なりを建て、そこで作業すべきでした。
また、船が横浜の大黒埠頭に接岸した段階で、検査結果が陰性の人をすぐに下船させ、どこかに2週間留め置いて経過観察という態勢を取るべきでした。こうすれば2週間経って無事な人をどんどん帰宅させることができたはずです。
さらに、検査結果が陰性の人を公共交通機関で帰宅させた判断には驚愕しました。当初の検査では陰性でも、その後、陽性に転じた人が過去にいたのですから、陰性だからといってもしばらくは隔離施設に収容して様子を見るべきでした。すぐに公共交通機関を使わせたことで、感染者を広げる結果になりました。
日本の役所には危機管理能力が決定的に欠落していることが明白になったのです。日本は国際的に信用を失いました。「こんな国がオリンピックを開催できるのか」という懸念が広がったのは当然のことです。
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