文春オンライン

2020/03/11

千葉県では田が2メートル沈下し、砂が吹き出た

 千葉県の被害も、驚くべき数字をしめしている。

 家屋の全壊12894、半壊6204、計19098戸に達しているが、殊に相模湾をのぞむ房総半島南西部の沿岸各地の被害はすさまじかった。

 館山湾内の沿岸は最も激烈な地震に襲われ、那古では900戸の人家のことごとくが全壊した。

 館山町でも戸数1700戸の九十九パーセントが倒壊し、附近一帯の田が2メートルも沈下し、砂が吹き出るという現象すら起った。

 館山町に隣接した北条町では、戸数1600余戸中、全壊1502戸、半壊47戸にも達し、郡役所、中学校、停車場等すべてが全壊した。古川銀行、房州銀行の建物が奇蹟的に残った以外は柱の立っている家さえなく、電柱はかたむき、電線は地上にたれて町全体が壊滅してしまった。さらに亀裂は深さ2メートルにも及び、陥没地域も多く、測候所と小松屋旅館などが亀裂の中に落ちこんだ。

 その他埼玉県下では全壊4562、半壊4348、静岡県下で全壊2241、半壊5216、山梨県下で全壊562、半壊2217、茨城県下で全壊157、半壊267という被害状況であった。

 ……東京府をのぞく災害六県では、全壊戸数67135、半壊戸数71111にも達したのである。

新装版 関東大震災 (文春文庫)

吉村 昭

文藝春秋

2004年8月3日 発売

この記事の写真(4枚)

ツイッターをフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー