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AI開発をいい方向に導くドラえもん
映画「ドラえもん のび太とブリキの迷宮」が公開された当時は、現在のような技術はまったく開発されていないのに、想像力だけで現在のシンギュラリティにおける議論と同じことが映画のなかで危惧されていました。
約30年間で技術は大きく発展していますが、人間の想像力は、当時からほとんどアップデートされていません。そんな私たちが、およそ30年先の未来を想像して怯えているわけです。
よく「シンギュラリティが“起こる”」という言い方がされますが、技術革新というのは、人間が"起こす"ものです。シンギュラリティが聞き慣れない言葉であるため、未知のよくわからないものというイメージになり、「シンギュラリティはなんとなく怖い」という意識が生まれます。
「技術革新」が「シンギュラリティ」という言葉になったとたんに、自分事ではなくなって、受動的なとらえ方になっているようです。受動的になるのではなく、いまこそ、本気で未来の技術と向き合う必要があると思います。
AIには、いいイメージと悪いイメージの両方がありますが、それは、AIがいい方向にも、悪い方向にも進みうるからです。どちらにも進みうるのですから、いい方向に向かうためには何をすればいいかを能動的に考えるべきです。
藤子・F・不二雄先生は、いい未来のイメージを世の中に出してくれました。このイメージを大事にして、みんなで共有しながら、ドラえもんの開発を進めていきたいと思っています。