昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

睡眠不足になると感染症にかかりやすい! 「やってはいけない」眠り方は?

『睡眠障害』(角川新書)

2020/03/18

 あまり知られていない睡眠の5つの役割とは。忙しいビジネスパーソンが日々蓄積していく“眠りの借金”を返すために考えるべき「分割睡眠」という方法について、『睡眠障害 現代の国民病を科学の力で克服する』(角川新書)から、紹介します。

睡眠には5つの役割がある

 睡眠・覚醒が脳の自発的な活動であることがわかってから、睡眠の役割も明らかになってきました。いまだ解明されていないこともまだまだあると思いますが、現在わかっている睡眠の役割は、次の5つになります。

(1)脳と体に休息を与える
(2)記憶を整理して定着させる
(3)自律神経とホルモンバランスを整える
(4)免疫力を上げる
(5)脳の老廃物を除去する

 2種類の睡眠があることがわかってから、睡眠には脳と体に休息を与える以外の役割もあるのではないかと考えられてきました。

©iStock.com

 いまでは、起きているときに五感を通じてインプットされた脳の情報が、睡眠周期を繰り返すことで整理され、記憶として定着することがわかっています。初期の研究では、レム睡眠での記憶の定着が注目されましたが、記憶の定着には、種々の過程があり、浅いノンレム睡眠も関与することが続いて明らかになり、最近の研究で、入眠直後のもっとも深いノンレム睡眠のときに、脳の大脳皮質側頭葉の奥深くにある海馬という場所に一時的に保管された情報(五感からインプットされた情報)が、脳の表面にある大脳皮質に移動し、長期記憶として保存されるという報告もあります。

 1968年には、最初の深いノンレム睡眠のときにグロースホルモン(成長ホルモン)が活発に分泌されることがわかりました。脳や体に休息を与えるだけでなく、筋肉や骨に新陳代謝を促していたのです。また、グロースホルモンは、自律神経のバランスを整えるのに重要な役割を果たしています。

 睡眠と免疫力との関連性もわかってきました。睡眠不足になると、感染症になりやすいことなどが実験で確認されています。インフルエンザの予防接種を受けても、睡眠が乱れると予防接種の効果が認められなかったという報告があるほどです。

※写真はイメージです ©iStock.com