「ヤバい、株価が下がった。どうにかしろ」
しかも、アベノミクスのお財布である日本銀行が、下落の続く日本株の購入の大幅増額を次回の政策決定会合で決めるとかいう観測が出てきました。いや、確かに日経平均の下落は日本経済に影響があるのは間違いないんですけど、今回は相場が崩れたというより実体経済が壊滅している話なので、そこにカネ注いでも株式やってる人たちにしか優遇が回らず、国民には恩恵が乏しい方針ですよね。
アベノミクスが画餅で描いたトリクルダウンは、ご覧の通り投資先の乏しい日本経済において湧き出たジャブジャブの流動性を株式相場にぶっ込んだので2万2000円まで来ました、というだけのことですよ。
そこにさらに日銀さんが頑張って日本の証券市場にカネをぶっ込むというのは、いま猛烈に日本の株式を売っている外国人に私たちの税金をプレゼントしているだけになります。金持ち優遇以外の何ものでもない。分かっててやってるならいいんですが、たぶん安倍ちゃんやその周辺は「ヤバい、株価が下がった。どうにかしろ」ということぐらいしか考えてないんですよ、きっと。
一番抵抗力の弱い世代に対策を打つべき
ヤバいのはコロナウイルス対策のための自粛要請が効きすぎて、我が国の実体経済が崩壊し、そこで暮らしている一番抵抗力の弱いフリーランスや派遣社員の生活を直撃して干上がりそうだということですよ。子育て世代や若い世代に対して税減免や直接給付のようなちゃんとした対策を打たないと、私ら団塊の世代ジュニアが直面した「失われた世代」がまた出てきてしまいます。
なんかこう、安倍晋三さんは裁判までやった菅直人さんの福島第一原発事故で露呈した無能と同等かそれ以上の悪弊を披露しているような雰囲気になっているので、まずは脳内に感染したコロナウイルス恐怖症をもう少し和らげていただいて、歴代最長宰相の最後に相応しい花道を国民と一丸になって盛り上げていければと願う次第です。
INFORMATION
ついにこの日が来てしまった……。文春オンラインの謎連載、特にタイトルがあるわけでもない山本一郎の痛快ビジネス記事が待望の単行本化! 現在、Kindle Unlimitedでも読めます。
その名も『ズレずに生き抜く 仕事も結婚も人生も、パフォーマンスを上げる自己改革』。結婚し、出産に感動するのもつかの間、エクストリーム育児と父父母母介護の修羅を生き抜く著者が贈る、珠玉の特選記事集。どうかご期待ください。