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感染者がいつ、どこのスーパーを訪れたかまで

 例えば、「(ソウル市)永登浦区で20代のフランスから帰国した男性の感染が確認」といった内容で、感染が発生した区庁のホームページに入れば、感染者の動線も知ることができる。掲載されている情報はもちろん匿名で、性別、年齢(代)、住んでいる町名と感染が確認された日の3日前からの動線が簡単に記されているのだ。

 感染者が立ち寄った場所は避けようとか、むしろ防疫作業が終わっているから安心だろう等、公開された記録の受け止め方は人それぞれだが、どちらにしても注意を払えるメリットがある。ただ、他人様の動きをのぞき見しているようで、どこか生々しい感じもする。

 たとえばこんな具合だ。「◯日 13時 自宅。◯日 14時42分 ◯■町の◯△スーパー。◯日 15時15分 ■町の◯コンビニ◯△店。◯日 11時 ◯駅◯◯レストラン(町名、駅名、店名はすべて実名)」。実名があがったレストランはその後2日間休業していた。

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ソウルで防疫作業をおこなう男性 ©getty

地方のヴィラ型のリゾートが人気に

「社会的距離置き」をみな守っているようで、街中からは人足がめっきり減ったが、逆に公園や、漢江沿いにある遊歩道には暖かい日ともなると人が集っており、テントを張っている人もいる。

 新型コロナ禍により観光業界はどこも青息吐息といわれるが、韓国内でにわかに人気が高まっているのが、地方にあるヴィラ型のリゾートだ。平昌冬季オリンピックが開かれた江原道の雪岳山の麓にあるリゾートに行った50代の知り合いに聞くと、週末は満室だったそうだ。ソウルにいても行くところがなく、自宅だけでは息が詰まると思い切ってでかけたが、リゾートの周りには自然公園がいくつもあって気分転換できたと言っていた。

©iStock.com

 この夫婦が行ったリゾートに話を聞くと、訪れているのは50~70代で、週末には家族連れが多く、稼働率はなんと80%。1週間の長期滞在者もいるという。ヴィラはキッチンやダイニング、その他3つの部屋があり、3世代で来る人もいるそう。

「昨年11月にオープンしましたが、このような状況なので大々的な宣伝などはしておりません。しかし、駐車スペースがそれぞれのヴィラについていて、食事もキッチンやベランダに備えられたバーベーキューコンロでも楽しめるようになっていますので、他のお客様との接触がない。そういったところが口コミで伝わっているようです」(リゾート広報)