大崎先生は「ああ、稲垣さんのお医者さんだ」
――喜美子の息子・武志の主治医をつとめる大崎(茂義)先生は、稲垣吾郎さんが演じています。
水橋 以前からお仕事でご一緒したこともあってお互いに知っているし、久々に地上波に戻ってドラマをやるというのが一ファンとしても本当に嬉しくて。SMAPのコンサートにはいつも家族で行っていたんですよ。
――大崎先生はどこか飄々とした性格に映りますが、穏やかで精神的に武志と喜美子を支えていきます。
水橋 やっぱり彼が演じたからこそ、ああいう感じになったんでしょうね。彼が上手く肉付けをしてくれて、観た時に「ああ、稲垣さんのお医者さんだ」と思いました。
八郎の役作りと、「この人、怒ったりするのかな」
――#八郎沼というハッシュタグが生まれたくらい、八郎はかけがえのないキャラクターに。結婚相手に抜擢された33歳の松下洸平さんも大ブレイクしました。
水橋 松下さんに初めてお逢いした頃、私は喜美子が八郎との別れに向かうところを考えていた頃だったんです。マネージャーさんも一緒にみんなでご飯を食べたんですけど、松下さんはすでに八郎の役作りに入っていたからか、振る舞いも八郎のイメージのままで。爽やかで穏やかだったので、「この人、怒ったりするのかな」と。
この先、喜美子と言い合いしたりするのでどうなんだろうと思って、「怒鳴ったり怒ったりしたことありますか」と聞いたら、「えー」と思い出しながら頭に来たことを話してくれたんですが、隣でマネージャーさんが「それ3年前だよね?」って。「あぁ、3年前かあー」とのけぞってました。それで、いきなり怒ったりするのは苦手かもなぁと思って、後に八郎が怒るシーンは、松下さんがやりやすいよう、だんだんと感情が高まっていくように気をつけて書きました。
――後半の八郎は、穏やかさと爽やかさを保ちつつ、より存在感と貫禄が出ていました。
水橋 そうですね。とにかく彼は八郎という役に一生懸命でした。私の作った八郎なのになぁと妬いたくらいです(笑)。