誹謗中傷は「有名税」
常井 なるほど。「克行さんを通す」というのは、地元の国会議員だからそこを通さなくちゃいけないということなのか。
河井 ううん、便利だから。すぐ話が通るから。
常井 なるほど。
河井 ご飯を食べながら、「あのね」とか言って。
常井 じゃあ、自分が国会議員になったということは、ある意味、政治家・河井案里の「自立」なのかもしれないですね。27歳の時に縁もゆかりもない広島に東京から嫁に来て、29歳で自分が県議になってからも約20年間続いた「代議士の妻」とは別の人生の始まりですね。
河井 ですかねー。でも、私の中では子どもの頃から連続していて。やっぱり政策をやりたいという気持ちとか、そういう延長として今があるという感じなんです。
常井 国会議員になることで、今まで以上に誹謗中傷をされるわけじゃないですか。ゴシップがあったら、広島ローカルじゃなくて、全国ニュースになる。そういう怖さみたいなものというのは。
河井 もうしょうがないですよ。そういう職業だもん。「有名税」と思うしかない。
常井 そこまで吹っ切れてますか。
言いたいことがあったら面と向かって言ってほしい
河井 政治家って全然話題に上らないよりは、悪評でも評判が立ったほうがいいんですよ。
常井 「悪名は無名に勝る」と、そこまで覚悟されているんですね。例えば、夫に何かあったら、セットですぐ話題になる。
河井 それはもう、この仕事を始めた時からしょうがないことだなと思って。疲れちゃうけど、でも、まあしょうがないんじゃない? というか、いちいち相手にしていたら自分が傷ついちゃうので。でも、私、エゴサーチやってみたのね。
常井 おお。
河井 案外耐えられるんですよ、私。「へえ、面白い」と思って。全然自分のことを知らない人が自分のことをこんなふうに言ってるんだなって。書いているの、どこの人かわからないじゃん。
常井 それはTwitter検索ですか? Googleですか?
河井 Yahoo!のリアルタイム検索とか。
常井 基本的に他人の言う噂はあんまり気にしない?
河井 うん。面白いなと思って。言いたいことがあったら面と向かって言ってほしい。
常井 「おやじたちの世界」ってそうですよね。さっきの広島県連の男性政治家のように、「束になって」かかってくる。これから、国会議員としてどう動きたいんですか。
河井 どうかな。しばらくおとなしくしていようと思って。
常井 そうですか? 自分の動き方が克行さんの政治活動に影響があるとかそういうのって、今も気にします?
河井 ううん。いい影響しかないんじゃないかなと思って。
常井 ポジティブですねえ。
河井 二人三脚でやってきたからね。