「一番上」ということばが志望理由に
東京大学理学部3年生・Bさんは、自身の桜蔭志望動機をこう振り返る。
「わたしは1つ年上の兄がいて、なんでも真似していたくらい影響を受けていたんです。その兄が開成に合格し、わたしも中学受験勉強を当然のように始めました。6年生のときに桜蔭と女子学院両方の文化祭を見学して、両校とも良いなあと感じました。その後、塾の先生から『君は桜蔭を狙うとよいよ』とおだてられて(笑)、その気になってしまいました」
慶應義塾大学経済学部の3年生・Cさんは、「一番上」ということばを志望理由に含めた。
「うーん、単純に桜蔭が有名だったから(笑)。どうせ中学受験をするなら、一番上を目指したいと思ったんですよね」
彼女は端から女子学院や雙葉の受験は考えていなかったという。
また、国立大学の医学部に進学した卒業生・Dさんは、父親が医者であり、小さな頃から当然のように医師を志していたという。そんな折、「日本で一番東大理3に進学する女子校がある」と聞き、それが桜蔭だった(ちなみに、2020年度は桜蔭から7名が、日本最難関の東大理科3類に合格している)。
桜蔭生は塾漬けの日々を送るのか?
桜蔭に向かう途中に急な勾配の坂道(忠弥坂)、通称「桜蔭坂」がある。
そこで登下校する桜蔭生たちを見かけると、多くの子が大きく膨らんだカバンを重たそうにして持っている。
塾通いについて、卒業生のひとりに尋ねると意外な回答が得られた。
「桜蔭の授業を完璧にこなせれば大学受験に対応できます。わたしが中1~高3の最後まで塾にお世話になったのは、飲み込みが遅いせいなのです。桜蔭では理科・社会の高校単元は高3の最後になってギリギリで終わるんですね。そうすると、入試本番が迫っているので、その復習の時間がなかなか取れません。桜蔭の授業進度ですが、中学は割とのんびり。高校になってから一気に加速する感じです」
そして、彼女はこう付け加えた。