ヤクルトファンの渡辺三冠曰く「部屋からバッチリ観戦できる!」
話が脱線しすぎてしまった。途中で偶然会った(目的地と時間が同じだから偶然でもないか)渡辺明三冠と同道しつつ日本青年館ホテルに到着した。
このホテルは2017年に建て直され、9階建てから16階建てにジャンプアップ。そういえば森雞二九段のパーティがこちらで催されたとき、ホテルの前で某九段に「新しい日本青年館ホテルはどこですかね?」と聞かれたことがあった。
目の前のこれですね、と答えると某九段は喉仏がよく見えるくらいの角度で建物を見上げて「ええっ!」。両手の位置も含めて見事なマスオさん的リアクションでしたよ、森内先生。
ホテルのロビーや部屋からは神宮球場がまるっと見える絶好のロケーション。ヤクルトスワローズファンの渡辺三冠は「ここには対局前に何度か泊まったことがあるよ。試合のある日はね、タダ見されないようにロビーのブラインドが下ろされるんだ。宿泊者の部屋からはバッチリ観戦できる!」と教えてくれた。
ちなみに関西から遠征してきて宿泊する棋士の中には、球場とは逆側の部屋にしてほしいとリクエストする人もいるそうだ。もったいないような気もするけれど、まあ野球を見に来たわけではないから当然といえば当然かもしれない。
これはいわゆる「検分あるある」
部屋に荷物を置き、1階に集合してハイヤーで東郷神社へ。拝殿での対局の成功祈願と対局室の検分を滞りなく終え、再びホテルに戻った。下の検分写真では皆違う方向を見ているが、これはいわゆる「検分あるある」。各々が気になる場所を見てこそ、検分の精度が上がるのである。
このほかにもいろいろとあったけれど、前述した通り新聞観戦記で使うかもしれないネタを書くわけにもいかない。こちらはあくまでも、こぼれ話というスタンスなのだ。もっとも新聞で書けないようなくだらない内容のほうがネットではウケがよかったりするので、結局のところはうまい配分になっているのかもしれない。
今回は第3局の新潟に続いて、前夜祭と大盤解説会はなし。夜は関係者のみの食事会となった。数多くタイトル戦に出ている渡辺三冠に比べて、初めて挑戦者になった本田五段は口数が少ない。それでも話を振られればユーモアを交えながら答えてくれるので、きっと場慣れすれば自分から話すようになるに違いない。