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特集観る将棋、読む将棋

2020/04/01

神頼みの正反対にいる渡辺三冠のご朱印帳

 そうそう、食事会が始まる前に渡辺三冠に「これ、明日の日付でもらっておいてくれる?」と、ご朱印帳を渡された。福岡県の宗像大社から始めたらしく、もう両手ぐらいはご朱印が押されている。性格的には神頼みの正反対にいる渡辺三冠だから、きっとご利益を期待するというよりもアトラクション感覚が強いのだろう。

 対局者が自室に戻ったあとも、立会人の中村修九段を中心に会話が続いた。話題はやはり新型コロナウイルスの影響と対策が大半で、棋士会の会長である中村九段は悩みが尽きないそうだ。将棋連盟会長の佐藤康光九段もそうだが、皆を引っ張っていく立場にある人はこういうとき特に大変なのだなぁと、改めて感じ入った。

 長くなれば自然に酒量が増えてしまい翌日に影響が出かねないので、ほどよいタイミングでお開きになった。せっかく対局場の近くに泊まらせてもらっているのに、寝坊をしては本末転倒である。

3月17日、火曜日。

 前日分で余計なことを書きすぎたため、スペースが足りなくなってしまった。対局当日のことは写真を中心に、キャプション的なコメントとともにお届けしていこう!(勢いだけで押し切る例の手筋)

両対局者以外はマスクを着用している

 こちらは午前9時の開始前の様子。今回、対局者以外はマスク着用が義務付けられた。対局者もマスクをつけてもよいのだろうが、メガネが曇っては思考が乱れかねない。

 盤側の私はマスクにティッシュを挟むという聞き知った技を使ったが、効果はあまり感じられなかった。きっと鼻息が荒かったのだろう。対局者にフガフガを聞かせるわけにはいかないので、入室は急所の場面と佳境に入ってからにしておいた。

関係者に出されたお弁当

 東郷神社で出された関係者用のお弁当。これがとても美味しかった。打ち上げで出された料理も絶品で、私などが口にするのは勿体ないと思えるレベルであった。もし先々に結婚式を挙げる予定がある人には東郷神社をオススメしたい。料理だけでなくスタッフの接遇も抜群だったので、きっとよい思い出が作れるはずである。

どうやらキティちゃんは守備範囲ではなかったようだ

 続いてはご朱印帳。左が渡辺三冠のもので、右はぬいぐるみをはじめ、かわいらしいものが好きな渡辺氏を悔しがらせようと思って私が購入したキティちゃんデザインのもの。朱印入りで2000円也。「なぜ東郷神社でサンリオ?」と思わないでもなかったが、他者の趣味嗜好をことさら深く詮索することもない。

キティちゃんのご朱印帳は、朱印入りで2000円也

 対局後、わくわくしながら件のモノを渡辺三冠に見せびらかしたのだが、読み筋通りにはいかず、ちっともうらやましそうにしてくれない。どうやらキティちゃんは守備範囲ではなかったようだ。くっ。

 このままでは収まりがつかないので、私自身がキティちゃんを片手に寺社仏閣を回るしかない。きっと全国の巫女さんに「いい年のオッサンがこれか」という奇異の目で見られ……ふむ、それもまあ悪くはないか。

 以上、渡辺三冠が勝ち3勝1敗で防衛。棋王8連覇となった棋王戦第4局の余話でした。

 本当は盤駒はじめタイトル戦の舞台で使用する棋具や道具を紹介しようと思ったのだけれど、それはまた別の機会に。

写真=後藤元気

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