【画像】顔色が違って見える2016年の肺炎前後での志村けん
16年に肺炎を起こした後も、志村さんはテレビで活躍していました。しかし、「退院後も顔色が優れず、めっきり老け込んだ姿が話題になった」と伝えられています。そのうえに、昨年9月には「下血がある」との通報があって、体調不良で救急隊で搬送され、重病説まで流れました(文春オンライン「志村けん“新型コロナ陽性” 昨年も重病説 緊急搬送から“夜遊び”再開するまで」2020年3月26日)。
また、志村さんは過去に「肝硬変」と診断されたという情報もあります。これについては真偽不明ですが、お酒と女性が大好きで有名だった志村さんのことです。アルコールによって肝臓がダメージを受けていたとしても、不思議ではありません。実は、肝硬変の人も感染症にかかりやすく、肺炎が重症化しやすいことが知られています。
そんな悪条件がそろった体の状態で、志村さんは新型コロナウイルスに感染してしまったのです。喫煙歴や肺炎の既往歴が直接の原因でなかった可能性もありますが、それらが肺炎の重症化リスクを高めたことは否定できません。
志村さんが亡くなって、新型コロナウイルスの怖さをあらためて痛感した人が多かったはずです。しかし、それにとどまらず志村さんの死を無駄にしないためにも、あらためてタバコの怖さを知るべきです。
2月28日に報告された、中国・武漢市を中心とする新型コロナウイルス感染者1099名を解析した論文によると、タバコを吸っている人、または過去に吸ったことのある人は、タバコを吸ったことのない人に比べて重症化リスクが1.66倍高く、呼吸器装着または死亡のリスクが3.24倍も高かったそうです(日本禁煙学会「喫煙歴がCOVID‐19肺炎の最大の重症化因子」2020年3月30日)。