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連載テレビ健康診断

「にじいろジーン」の最後を観て、“ぐっさん”山口智充が心配になった――青木るえか「テレビ健康診断」

『にじいろジーン』(関西テレビ系)

2020/04/04

 土曜の朝は『旅サラダ』派? それとも『にじいろジーン』派? ってもう終わってるよ『にじいろ』は! 私は『にじいろ』派だったのに! 『旅サラダ』の、朝っぱらからなあなあなバラエティーノリじゃなくて『にじいろ』の真面目っぽいのを贔屓にしてたのに。

 少し前の本誌記事を見てショックを受ける。山口智充(ぐっさん)が「芸の評価は高いのに出番が減った理由」ってやつ。えーっ、ぐっさんそんな状況に。唯一の地上波全国レギュラー番組『にじいろ』も終わるって。ぐっさんの持ち味は練り込んだネタの「玄人芸」であり「元々芸人仲間との交流が少ないので、芸人ならではのイジりMC、という地上波のトレンドに沿いにくい」と。これ「ぐっさんは今どき珍しいちゃんとした芸人」という記事ですよね??

山口智充 ©文藝春秋

 しかし終了前にあらためて『にじいろ』を見たら、ドンヨリしてしまった。

 情報バラエティー番組で、軽薄なノリはない。出演者同士のノリツッコミもない。良いことではないか。しかし……何かとても「予算をかけてない」感が激しい。ぐっさんとゲストが東京近郊をめぐる。海外の素人ファッションを紹介するコーナー。こども師匠(トランポリンとかやってる)を訪問紹介。星付きレストランのシェフが地方出張して現地食材でお手軽料理&現地の人の座敷みたいなとこでお食事会。毎回これ。

 つなぎでスタジオを映す時間もすごく短くてパッパとコーナーが移動する。ワイプの画面も音声も小さい。重ねて言うが、それ自体は「良いこと」だと思うのである。ぐっさんの、芸人としての矜持とも重なる。

 でも、各コーナーそのものが、手をかけてもらってない。オフザケもないが気合いも入ってない……。メインはぐっさんとゲストの街探訪で、富田靖子と新橋を巡る。駅前とか。SL広場とか。富田靖子は(たぶん言うことに困って)「新橋サイコー」と叫ぶ。そんな富田靖子をうまく転がすタイプじゃないぐっさん。新橋に行ったのは「局の近所」だからとしか思えない(制作は関西テレビだから違うんだけど)。海外のファッション紹介も「あっち在住の人にカメラだけ回してもらった」感がすごい。子供たちは角兵衛獅子を思わせるつらさがあるし、星付きシェフの料理も、どうにも有難みが感じられない(なんか微妙に美味くなさそうなんだ)。

 この番組の「手をかけられてない感」は、ぐっさんの「正しい」芸風のせいなのか。うーん、この番組にレギュラーで出ててもあまりぐっさんのためにはならないような。あ、だから終わったのか。ぐっさん、技芸上達の新橋・烏森神社で「エンターテイメントの世界でさらに飛躍できますように」と祈ってたし……。

INFORMATION

『にじいろジーン』
関西テレビ系 土 8:30〜(放送終了)
https://www.ktv.jp/niji/

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