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2020/04/13

 もし、職場のパワハラが原因で社員が自殺してしまったり、生涯にわたって働くことが難しくなってしまったらどうなるか。被害者側が会社と原因となった社員を「安全配慮義務不履行」を理由として訴え、勝訴した場合、会社側が支払う額は1億円程度に及ぶこともあります。これは被害者側への慰謝料だけでなく、被害者がもらうはずだった生涯賃金も含まれるからです。早期の問題解決は、誰にとっても重要なのです。

本当に大事なのは「再発防止」

 起こってしまったことは仕方がありません。大事なのはどう再発を防止するかです。

 まずは「なぜそのパワハラが起きてしまったのか」の原因を究明し、予防策が取れないかを考えます。

 たとえば、上司と部下とが部屋で二人きりになることが多く、周りの目が行き届かないことがパワハラ発覚の遅れにつながったというのであれば、部門同士を近づけて目が行き届くようにするという対応が考えられるでしょう。あるいは、上司が部下を個室に呼びつけてパワハラを行っているようなケースでは、いっそ会議室をガラス張りにしてしまう手もあります。実際、最近の企業ではこうした会議室が増えているようです。

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 仕事の効率が悪いことが原因で、部下の人格を否定するような言動を上司が繰り返していたとしたら、もちろん、一番の問題は上司です。ただ、部下の仕事が非効率なのは、会社の教育体制がなっていないせいかもしれませんし、そもそも業務の無駄が多いことが原因かもしれません。教育体制や業務体制をこの際、根本的に見直すことが必要かもしれません。

適材適所で人材を活かす

 さらに言えば、問題を起こした側も、会社にとっては貴重な人材です。たった一度の失敗で二度とチャンスを与えないのではなく、何が問題だったかを受け止めたうえで、再度挑戦する機会を与えることも重要です。

 二度、三度と同じ間違いを繰り返すような人もいると思います。ならば、そういう人には部下をつけず、一人あるいは外部と協力して進める仕事を与え、その分野で実力を発揮してもらえばいいのです。要は「適材適所」の考え方です。

 パワハラやセクハラを乗り越え「より良い職場を作る」という思いで、再発防止に取り組んでほしいと思います。

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