「三越伊勢丹がひと月も休業するなんて……。日本は本当に緊急事態なのねえ」
日本が緊急事態宣言を出した8日、韓国人の友人がこんなメッセージを送ってきた。彼女は日本旅行が好きで、三越伊勢丹はお気に入りだったが、反応するところがここだとは。
韓国では爆発的な感染拡大を2月に経験したことが今にして思えばよかったのかもしれない。もちろん感染が拡大しないほうがいいに決まっているが、これで緊張感が一気に高まったからだ。
韓国在住の身としては、それでも不安にならずにすんだのは感染者数や検査数などの確かなデータが毎日公表されたおかげだった。どういう状況にあるのかがひと目でわかることが安心感につながった。
日本のコロナ対策をみていると、感染状況に関する詳細なデータが曖昧で、何を根拠に感染抑制を実現しようとしているのか、日本の外にいるととてもわかりにくい。
韓国が膨大な検査数を実現させた理由
韓国は国際社会で今、世界で唯一、ロックダウンせずに感染を抑制できている国として注目を集めてもいる。なぜ抑制できているのか、その理由として真っ先に挙がるのは大規模な検査だ。日本も韓国のドライブスルー方式での検査を検討中と報じられたが、欧米では韓国の検査方法をすでに導入しているところも多い。
韓国の検査数は4月9日現在で、累積49.4万件あまり。世界でも断トツの件数だ。「これほど大規模な検査が可能だったのは実は周到な準備があったからです」と元疾病管理本部関係者は言う。