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ロックダウンせず感染抑制の韓国 韓国人自身が考える6つの理由

2020/04/10
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韓国政府が打ち出した新型コロナ克服の目標

 韓国は4日、新型コロナウイルス克服の目標として、「1日の新規感染者数50名以下」、「行動経路未確認ケースを5%以下」と具体的な数字をあげた。「社会的距離置き(ソーシャル・ディスタンシング)期間」はさらに2週間延長されて、小中高では、韓国史上初のオンライン授業が試行錯誤の中で導入された。まず、中学と高校の3年生から始まり、他の学年は4月中に段階的に行われていく予定になっている。

オンライン授業をするソウルの学校教師 ©AP/アフロ

「社会的距離置き」が言われ始めたのは2月末頃だから、もうかれこれ1カ月以上になる。最近では、「社会的距離置き疲れ」も目立ってきて、自宅隔離を守らずに国内旅行をして感染を広げたり、食事に出たりする人も増えて問題となっていたが、ついに逸脱者には罰金や実刑も科せられることなどが決まった。

 行動経路の追跡やこうした罰則など、ウイルスを前にして今まで信じていた価値観が一時的だが崩れてしまってもいる。

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 ただ、フランスのマクロン大統領がかつて「行動経路を把握することは市民の自由を奪うことだ」と非難したことも思い出したい。今はフランス全土がロックダウンされ、人々の自由は奪われてしまった。

観光客で賑わっていたソウル・明洞も今は閑散としている(著者提供)

 前出の元疾病管理本部関係者は、「これからはウイルスの時代」とも語っていた。

 韓国では疾病管理本部を「庁」に格上げしようという声も出ている。

 これから起こりうるウイルス禍を前に、人権に配慮しながらの“保健安保”をどう考えていくのか。曖昧にことを進めている日本はコロナ禍をどう教訓にするのだろうか。

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