体験型デザインを貫くうまベぇ
すべてのうまべぇ蓋に言えることだが、鋳物の太い線のどっしりとした安定感がたまらない。シンプル・イズ・ベスト。はっきりとした存在感は鋳物の凹凸でデザインされた蓋ならではの特徴だ。しみじみと良い。うまべぇはモノレールの屋根に乗っている。どうしても体験型のデザインにしたかったのだろう。
市役所を背景にサインを書いている。おそらく役所の窓口で何か手続きをしているデザインなのだと思う。やはり体験型のデザインになっている。鋳物の凹凸ははっきりとしているが、うまべぇの輪郭を良くみると線がギザギザしている。遠目に線が柔らかく見えるようになっている。鋳物の太い線のどっしりとした安定感に柔らかさまで演出されていた。
上仲原公園のテニスコート脇に設置されている。うまべぇがテニスをしている。やはり体験型だ。集中線が非常にシャープな鋳物の凸で表現されている。力強くて良い。ボールの線はぼやけたようになっている。ピントがあっていない表現で遠近感を演出している。鋳物の凸でここまで表現するとは、あなどれない。テニスコートとは逆側にボールが飛んでいる。そこはあまり気にしないようだ。
東大和市ハミングホール近くに設置されている。ハミングホールの外観ではなく、ステージのデザインらしい。マイクに向かってハミングしているのだろうか。体験型のデザインにどうしてもしたい強い何かを感じる。音符の線がビリビリしている。ドラえもんのジャイアンの歌が音痴な表現と同じだ。うまべぇは音痴かもしれない。鋳物の凸線づかいが多彩すぎる。
近隣に森永乳業株式会社東京多摩工場があることから作られた蓋だ。しかし森永乳業の工場は描かれていない。なぜなら一連の蓋は、うまべぇが地域の特色を体験することがテーマになっているからだ。ということで牛乳を飲んでいるのだと思うが、明示されているわけではない。
明示されているのは「おすい」の文字だ。なんだか不安になる。なお、ビンは森永かどうかわからない。昔の森永のビンに近いが、雪印メグミルク特濃のようにも見える。