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「蓋巡り」のススメ
全国的に有名なキャラクターでなくとも十分に観光資源化する要素満点のシリーズだった。あまりに広範囲ではじめはくらくらしたが、実際にレンタサイクルで東大和市を巡り、街歩き(街走り?)をしてみると新しい発見や東大和市の風景が素敵で楽しかった。
東京には今回紹介した新しいシリーズ以外にも、沢山のデザインマンホール蓋がある。東京都23区だけでも紹介してないデザインマンホール蓋が40種類以上ある。まだまだ、どっさりあるのだ。Googleストリートビューでネット街歩きをして珍しいマンホール蓋を発見したりする楽しさなんてのもある。奥が深い。
それから普通の蓋だって素晴らしい。たとえば、設置から時間のたった普通の蓋には経年の良さが出てくる。実用の美がやどる。鋳物であればこそ劣化しにくく、時がたつほどに鋳肌に味が出てくる。通行により表面が自然と磨かれ鈍いツヤが出てくる。鈍色(にびいろ)というやつだ。
冴える鋳肌にはなんとも言えない魅力がある。夕日が反射してギラリと光る瞬間もたまらない。鋳肌がザラリと小糠肌や縮緬肌をみせる様子も、えも言われない。路上で時をへた鋳物の美しさというのがある。おそらくそれは無数の通行人の足跡が鋳肌に刻まれ、言葉なき物語を語っているからだと思う。
新型コロナウイルスが沈静化した時には自由に街に出て「蓋巡り」をしてほしい。その日が早く来て、平和に蓋を見られるようになることを祈るばかりだ。
写真=竹内正則
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