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 これ、どの家庭も刺さる部分があるかもしれない。「察して」は幼稚な感情なんですよね。それにしても野田さんは、すごく柔軟な方。人のいい部分を見て、自分のよくない部分を修正できる事は夫婦に限らず、他人と付き合っていくうえで欠かせないスキルです。

ケンカになるのは「コミュニケーションの齟齬」が原因

 このように、結婚するにあたってコミュニケーションの取り方をどんどんブラッシュアップされてきたおふたり。現在のケンカの頻度は?

さるころ「頻度はどんどん減っていて、今は3か月に1回とかですね。ケンカの発端は一貫していて、野田さんがキレるから(笑)。でも、ひとりがキレているだけでは、実はケンカは成立していないんですよ。ケンカが成立しない状態が離婚リスクだということは前の結婚で実感していたので、ガチでケンカするようにしています」

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野田「ケンカって『お前が悪い』『いやお前が悪い』という話にしちゃダメなんです。相手の人格に問題があるという話になると、感情的になっちゃうから。ケンカになるのは、どちらかの人格に問題があるからではなく、コミュニケーションに齟齬があるから。そのメカニズムを解きほぐす努力はしていますね」

 さるころさんが言うには、ケンカには空手と似ている部分があるとか。

キレられたら、相手の意図を確認する

©iStock.com

さるころ「空手にはルールがあるし、もちろん相手に怪我をさせちゃダメ。それはケンカも一緒です。キレるということは、相手に一方的に怪我を追わせているようなものなんですよ。それはコミュニケーションの取り方としては間違っているから、まずそこをスルーしてはダメですよね」

 す、すごい。私はまだまだ理不尽にキレられたらキレ返してしまいそうだ。

さるころ「暴言を吐かれたり、キレられたりしたときは、その場で『何を思ってそんなことを言ったんだい?』と相手に確認することが大事だと思います。私も以前は、イライラしている人に何を言ってもしょうがないから、いったん我慢して、落ち着いたなと思ったときに『ああいうのはよくないよね』って言うのがコミュニケーションだと思っていました。そういうオトナな態度を取るのが正しいと思っていたんですが、それは違うなって。なぜなら、キレる人がキレ続けるのって、キレても許してもらえるからですよね」

 全国のイライラしやすい人は、ギクッとしたのではないでしょうか。もちろん私もです。「私のイライラに傷つきながらも許してくれる人がいる」ということなんだ……。