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「名指し批判」がもたらす危険性

 また、藤田氏は官公庁による「反論ツイート」の悪影響について危惧しているという。

「さらに言うと、“名指し批判”する必要はあったのでしょうか? 政策というのは上手くいく時もあるし、上手くいかない時もあります。だからこそ実際に制度を利用する人や対象に詳しい専門家などがオープンな議論をするべきなんです。そして、国がそういった様々な意見を抑圧しないことが大事。今回の“名指し批判”は、限りなく言論抑圧・言論統制に近いと言えます。

 例えば、厚生労働省の政策に不満を感じていても、萎縮して声に出すことができない人も出てくるでしょう。こういう危険性もはらんでいることを十分に理解してほしいのです。

 今回、厚生労働省のツイートを受けて、多くの人からコメントが届きました。『ちゃんと用意しているのに非難するな』『嘘ばっかり流さないでください』……。厚生労働省の公式ツイッターから出される情報を私たち国民は、『国の公的機関が公式見解として発表しているもの』『正しい情報』と認識しています。

 今回の一連のツイートは、大きな権限や影響力を持っているということの自覚があると言えるでしょうか? ツイートによって正しい情報はかえって錯綜しましたし、誤った情報はいまだに訂正されていません」

医療、労働、福祉などの各分野で新型コロナ対策を行っている厚生労働省 ©️文藝春秋

具体的な担当部署名は明かさず

 メディアへの反論ツイートは、誰の判断・指示で始まったものなのか。また、ツイートを投稿している担当者は誰なのか。そして、どのような基準でツイートする報道を選択しているのか。

 文春オンライン編集部が、厚労省に対して質問したところ「今回のツイートについては、報道された内容の正確性をきす観点や正確な報道をツイッターを利用される方に提供する観点から所管する部局において検討し、対応したものです」と新型コロナウイルス感染症対策推進本部・広報班から回答があった。

 厚労省は、誰の責任で「反論ツイート」が行われているのかハッキリと回答しなかった。具体的な担当部署名も明かされなかった。

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