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「自分が感染源にならないために」医師が“食事の場”で実践している6つのこと

「家庭内での食事」は飛沫感染の最大のリスク

2020/04/25

 これまでマスクを付けることに慣れていなかった人でも、そろそろマスクに馴染んできたのではないでしょうか。というより、マスクをしないでいると、何となく不安になるような、あるいは物足りなくなるような意識になる人も多いと思います。

 でも、そんな人でもマスクを外さなければならないシーンがあります。

©️iStock.com

 歯磨きと食事――。

 特に食事は、色々と不自由なことばかりの自粛生活の中において、数少ないやすらぎの時。しかし、憎き新型コロナウイルスは、そんな束の間のやすらぎの場をも狙い撃ちしてきているようなのです。

 暗い話題ばかりの中で、こうした記事を書くのは心苦しいのですが、特に高齢者や要介護者と同居している方には知っておいてほしいこの情報――。

 今回は、「食事の場での感染リスク」についてのお話です。

「食事に介助を必要とする人・介助する人」は要注意

「病院や介護施設でのクラスター感染が増えていますが、中でも“食事の場”を介して感染が広がっている可能性が指摘されているのです」

木村百合香医師

 と語るのは、東京都保健医療公社荏原病院耳鼻咽喉科医長の木村百合香医師。同医師によると、食事の場が一緒だったり、介護職員による食事介助などを通じて感染したと見られる症例が散見されるようになってきたというのだ。

 介護施設で「食事の場」が一緒になるのは分かるが、病院での食事はそれぞれの病床でとることが多い。個室でなくても、食事の時はカーテンなどで遮蔽するので、感染は起きにくいような気もするのだが……。

「高齢者が中心の場合、たとえ急性期病院でもデイルームで食事をとるところもあります。また食事介助が必要な人はもちろん、認知症などで“食べ物を詰め込み窒息や誤嚥を起こすリスク”がある患者さんなどは、看護師などが声をかけながら見守るケースもあります」(木村医師、以下同)

 こうしたシーンでむせたりすると、微細な液体あるいは固体の粒子であるエアロゾルが発生する。もしその人が感染者だと、ウイルスを含むエアロゾルが近辺に漂うことがある。その時間はときに数時間に及ぶこともある。院内感染、施設内感染の温床となるには十分すぎる条件なのだ。