外出自粛が続く日本。ちょっとしたことで夫婦仲がギスギスする家庭も増えているのではないだろうか。家族の和を乱さないための「絶対に守るべき8つの掟」を紹介した「週刊文春」2020年2月20日号の記事を全文公開する。(記事中の年齢、日付、肩書などは掲載時のまま)
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国内初の感染者が出てから2カ月超。新型コロナウイルスとの闘いは完全に長期戦の様相を呈している。
身体的な影響は感染者のみにとどまらない。外出を避け、自宅でテレビにかじりついてジリジリする……。“自粛疲れ”なる言葉も出てきている今、そんな毎日にストレスが溜まり、高齢者を中心に、いわば“コロナうつ”の状態に陥る人が増えていることは「週刊文春」2月13日号で指摘したとおりだ。
またテレワークや休校の影響で、家族が自宅で一緒に過ごす時間が増えている。それ自体はいいことだが、“引きこもり”のストレスをぶつけあい、亀裂が生じてはいないだろうか。中国ではこんな事例もある。
「西安の役所では、3月に入り離婚手続きのネット予約が殺到してパンク状態。上海市や四川省も同様です」(現地在住ジャーナリスト)
体内の免疫力を保つには、“心の持ちよう”も重要。支え合うべき家族が、ストレス源になっては本末転倒だ。そこで、家族の健康を守り、和を保つ8つの「掟」を紹介していきたい。
掟・その1)根拠のない「大丈夫」はNG
都内の会社員、河野浩太郎さん(58・仮名)は自宅でテレワーク中だが、専業主婦の妻(55)の怒りを買う機会が増えたと嘆く。
「『トイレットペーパー使いすぎ! 今は買えないんだから節約して!』と怒られました。『そのうち流通するから大丈夫だよ』と宥めたら『そのうちっていつ? 探して買ってきて!』と怒鳴られた。頭にきて『お前は探したのか?』と反論しケンカに。他にも『なんでトイレで手を洗わないの?』とか小言が多くてウンザリです」
トイレットペーパーやマスクなど品薄が続く日用品の確保は、家庭を預かる主婦には大問題。とはいえ夫にも悪意があるわけではない。夫婦問題カウンセラーの立木ミサ氏が指摘する。
「特に主婦は、コロナという見えない敵に怯えながらなんとか普段の生活を維持しようと努力している。夫がただ『大丈夫』と言っても、十分な根拠がないと怒るポイントになりかねません。先の読めないことについて、簡単に『大丈夫だよ』と言わないほうがいい。
また、今は特に清潔にしてウイルスを防がないといけない時期。トイレに行って手も洗わないのもケンカの原因になって当然です」