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「人類の最底辺だ!」台湾で開発“コロナ不謹慎ゲーム”に中国ゲーマーブチギレの理由

「人類の最底辺だ!」台湾で開発“コロナ不謹慎ゲーム”に中国ゲーマーブチギレの理由

そして「あつ森」も炎上

2020/05/02
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『あつ森』は、プレイヤーが無人島で「なんでもできる」という自由度の高いゲームだ。登場するのは優しいデザインの平和的なキャラクターばかり。オンラインでの他のプレイヤーとの交流も売りのひとつだった。

 新型コロナウイルスの流行によって外出を控える動きが広がるなか、4月19日までに361.1万本(ダウンロード版の売り上げを除く)を売り上げる大ヒットを記録している。

 いっぽう、『あつ森』は発売の直後から、主に香港のユーザーたちがゲーム内で政治的なディスプレイを多数おこない、そのプレイ動画やスクリーンショットがネットに大量にアップされたことでも話題になった。

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インターネット上にアップロードされた、香港人ゲーマーによるものとみられる『あつ森』のスクリーンショット画面の数々。まさにやりたい放題である

 すなわち、香港デモのスローガンである「光復香港時代革命」のほか、新型コロナウイルス肺炎を指す「武漢肺炎」や、その初期のクラスター発生地とされる「武漢華南海鮮批発市場」といった政治的に敏感な文字列の看板や、習近平やキャリー・ラム(林鄭月娥)香港行政庁官、親中的とされるWHOのテドロス・アダノム事務局長らの顔写真が遺影として掲げられるような事例が多発したのだ。

 また、例によってゲーム中のキャラクターに黒シャツとマスク、ヘルメットの「デモ隊ルック」を着させたり、オンライン上で複数のプレイヤーが集まって「光復香港時代革命」のようなデモのスローガンを集団で叫んだり、習近平やキャリー・ラムの顔写真をみんなでぶん殴ったりするような動きも見られた。

 結果、4月10日ごろまでに中国国内のオンラインショップから『あつまれ どうぶつの森』の取り扱いが消滅してしまう。もともと、このソフトは中国国内では正式に販売されておらず、日本や香港などで流通しているソフトが中国国内のオンラインショップで売られているだけだったのだが、それすらも許されなくなってしまった形だ。