ネット将棋でも充実感を味わえました
そして、将棋倶楽部24などの対局サイトを使えば、自宅にいるもの同士でも研究会ができるというのも大きなメリットだ。
「オンライン上の番組が放映されて、ファンの方の楽しみが増えたこと、特に将棋まつり的な感覚で楽しめるのはよかったと思います」(中川大輔八段)
「最近Webカメラを買いまして、Zoomの指導対局や動画出演などで仕事を模索していく形になると思います」(飯島七段)
「家に篭って将棋をやるというのは今までもありましたので、それほど環境が違うかというとそうとも言えない感じです。ただ、人と盤を挟むリアルな研究会が全休なので、そこは工夫してやらないといけないと思っています。将棋倶楽部24を使って棋士仲間でVS(実戦形式の対局)や研究会をやっていますが、とてもありがたいですね。感想戦の不自由さなどはありますが、実戦不足を解消できるのは大きいです。
先日は関西の若手と13時から始めて19時頃までVSを2局みっちり指しましたが、ネット将棋も真剣にやるとかなり疲れるのだなと思いました。その時は相手の提案でチャットではなくLINE通話を使って感想戦をしましたが、スムーズに執り行うことができ、なるほどと感心しました。ほぼ対面と同じ充実感を味わえました」(村山慈明七段)
「このような状況で棋士は何ができるか」
将棋ファンが盛り上がっているAbemaTVでの新しい試みについても、棋士はやりがいを感じているようだ。
「Abemaの解説は自由にやらせていただいていますが、喜んでもらえたのはうれしいですね。視聴者のメインはライトな層だと思っていますので、難しい譜号などはナシでわかりやすくすることに重きを置いています。主役は対局者なので、対局者をリスペクトして、棋士それぞれの持ち味・かっこよさを伝えたいですね。
また最近、YouTubeで番組配信を始めました。家にいることが多くなった結果ですが、このような状況で棋士は何ができるか、どのように将棋と向き合っていくかを考えてのことです。将棋には、難しく敷居が高い、というイメージがありますが、棋士にはそれぞれの個性もありますので、その面白さを楽しんでいただければと思います」(藤森哲也五段)