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#04『ディストピア パンドラの少女』
極限状況下での“憎悪”を描く
未知のウイルスによって、人類の大半が人を食う「ハングリーズ」となってしまった近未来。ハングリーズに噛まれた妊婦から生まれた“ハイブリッド”の少女を巡るサバイバルパニックです。
この作品で興味深い部分は、憎悪の描き方。
「セカンドチルドレン」と呼ばれるハングリーズと人間の両方の性質を持つ子供たちは、周囲の大人たちから忌み嫌われ、恐怖の対象にもなっています。子どもたち自身に罪はなくとも、大切な人を失った怒りや悲しみをぶつける先がほかにない。
皆で協力して一枚岩にならなくてはならない時にも、こうした感情が邪魔をしてしまい、悲劇を呼び起こしていくのです。このような、他者に対して「不寛容」になりがちな状況は、私たちが過ごしているいまと重なる部分もあるかもしれません。
希望となるのは、子どもたちの教育係を務める女性の存在。最優先すべきは、いま目の前にある命を守ること。極限状況下の心得を教えてくれる映画です。
ディストピア パンドラの少女
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